ウェアの基礎知識講座⑧『ラッシュガードは夏だけじゃない!!~より透湿性を発揮させる為に~』

皆様こんにちは!!
コジマです。

本日はウェアの基礎知識講座⑧です。

前回は『透湿性と通気性の違い』をご説明させていただきました。
※前回の記事はこちら。

んで、今回は前回の予告通り『ラッシュガードは夏だけじゃない!!~より透湿性を発揮させる為に~』をお送りいたします。

ここ2~3年ですっかり市民権を得た『ラッシュガード』。


ラッシュガード


こちらはラッシュガードタイツ

日焼け防止や吸汗速乾性を活かして、夏場の釣りを快適に過ごすには欠かせないですね。

しかし!!

これ、夏だけしか使ってない人…

損してます。

それは何でか?
これからご説明していきましょう。

以前の生地にも書きましたが、レインウェアに使用している防水透湿膜(メンブレン)の特徴は

『雨(水)は通さないけれども、水蒸気は通す』

ですね。

さて、レインウェアを着ていて汗をかいたらどうなるでしょう?

汗は水分ですね。
水分は通りません。

極端に言えばレインウェア内はビチャビチャですね。
とても不快です。

でも水蒸気は通りますよね。
水蒸気は水が蒸発する事で発生します。

という事は、どうすればレインウェア内を快適に保てるでしょうか?

そう、汗を早く乾かして水蒸気化させる事です。

極端な話ですが、想像してみて下さい。

真っ裸にコンビニのレインコート。

完全に通報されます。
想像しただけでベタベタして不快な感じがすると思います。

汗が汗のまま、水分のままでいるという事は、極端に言えばそれとほぼ同じ状況です。
(あくまで例えですが。)

汗が水分のままでいると透湿性は発揮されません。
せっかくの防水透湿レインウェアも効果激減です。

汗という水分を水蒸気に変える。
それには肌に触れるインナー(アンダー)が非常に重要な役割を果たします。

インナーに汗を吸わせ、乾かして気化させる。

そうする事で初めて透湿性の効果が発揮されます。
もちろん、乾くのが早ければ早いほどより快適に過ごせます。

吸汗速乾加工が施されているラッシュガードは、汗を良く吸い、素早く乾きます。
そうすることで汗を素早く気化させるので、レインウェア内を快適に保つ手助けをします。
(余談ですが、この乾く時に『気化熱』が奪われる事で体温を下げる役割を果たしています。)

だからラッシュガードはレインウェア着用時のインナーに向いているのです。

まあ、ラッシュガードと限定しなくても速乾性のインナー全般ですね。
登山用ですと更に一歩進んだ『撥水アンダー』なんてのもありますが、『汗と言う水分を肌に残さない』という原理は同じです。

ですので、ラッシュガードは夏だけ着るのはもったいないんです。

それもあって、弊社のラッシュガードには『接触冷感』の機能は入れていません。
そうすれば、『ヒヤッ』として欲しい季節以外も使えますんで。
(とはいえ、接触冷感加工の夏専用タイプは来夏に向けて企画中ですが。)

冬場はウォームインナーが速乾仕様ですので、そちらがオススメです。

じゃあTシャツじゃダメなの?

ドライ素材ならOKですけど、着心地や風合いは良いもの、乾きの遅いコットン(綿)は初夏~秋には分が悪いですね。

例えば、コットン製のTシャツ。
濡れると意外と乾くのに時間掛かりますよね?
天気の良い日に洗濯して干しても、まあ真夏でも乾くのに2~3時間は掛かりますよね。

私も夏場のフィールでコットンTシャツを着る事はほぼ無くなりました。
加えて言えば、半袖だと露出している腕の部分の透湿性が落ちるので、基本的にはTシャツ+ラッシュガードの重ね着になります。


昨夏の渓流ウェットスタイル。
ラッシュガード上下+ドライTシャツ。ハーフパンツも速乾素材。
濡れても夏場なら10分も日向にいれば乾いてます。

釣りへの行き帰りは着心地的にも風合い的にもコットンが好きですが、釣り場ではやっぱり速乾性のドライTシャツですね。


釣りの帰りはコットンTシャツ。
渓流で冷えた体にコットンの優しい肌触りがとても気持ちいいです。

さてさて、だいぶ長くなってしまいましたがラッシュガードの通年活用術でした。

次回は『ウェーダーの下穿きにジーパンはNG』をお送りしたいと思います。

それでは今日はこの辺で。

 

 

 

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ウェアの基礎知識講座⑦『透湿性と通気性の違い』

皆様こんにちは!!
コジマです。

本日はウェアの基礎知識講座⑦です。

前回まで数回に渡って透湿と撥水の関係性や、レインウェアやウェーダーのお手入れ方法をお伝えしてきました。

今回は久し振りに用語解説を。

今回のテーマは『透湿性と通気性』。

防水と撥水と同じくらい混同されて使われているこちらの性質。
まずはその言葉の意味を。

・『透湿性』…布などを水蒸気が通り抜ける性質。

・『通気性』…空気を通す性質。

はい、超絶わかりにくいですねw
撥水と防水の違い以上にわかりにくいこの二つの性質。

もう少し詳しく説明しますと、透湿性は水蒸気を通しますが空気は通しません。
通気性は水蒸気も空気も通します。

水蒸気は分子で、空気は気体です。

つまり透湿性は分子レベルの大きさは通しますが、気体は通しません。

この事がウェアにどう係わってくるのか?

まず、レインウェアに採用しているメンブレン(防水透湿膜)には3大特徴と言われるものがあります。

それは

・防水性
・透湿性
・防風性

の3つです。

水の浸入を防ぎながら、ウェア内の蒸れの原因である水蒸気をウェアの外に出し、さらに風の浸入も防ぐ。

これがメンブレンの特徴です。

はい、これで透湿性と通気性の関係性が少し見えてきました!!

水の浸入を防ぎながら、ウェア内の蒸れの原因である『水蒸気=分子』をウェアの外に出し、さらに『風=気体』の浸入も防ぐ。

つまりメンブレンには基本的に通気性はありません。
むしろ通気性が無い事が特徴なんです。

そもそも風が浸入する隙間があるという事は、水も浸入してきますのでレインウェアとして成り立ちません。

まあ、ミシンで縫った穴を塞いでいる『シームテープ』がないだけで水が浸入してくるんですから当然っちゃあ当然ですね。

ちなみに通気性が無い=風を通さないと言う性質を利用して作っているのがこちらの製品。


SJK-008 ウィンドガードパーカ


SPT-005 ウィンドガードパンツ

この2つのアイテムは風の浸入を防ぐ事で体感温度の低下を防ぐアイテムです。

毎年完売サイズが出る人気商品ですので、お使いの方も多いかもしれませんが、単なるパーカーやスウェットパンツとは段違いの暖かさを発揮します。

ちなみに、風速1mにつき体感温度は1℃下がります。

つまり気温10℃で風速10mの場合、全裸だと体感温度は0℃です。
(まあ、全裸ってことはないでしょうけどw)

防風性って大事でしょ?

ちょうど今くらいの時期だと『暖かいけど風が吹くと寒い』みたいなシチュエーションって多いと思います。

そんな時はレインウェアを一枚羽織るだけで随分と過ごし易さが変わりますんで、是非お試し下さい。


ボートシーバスやオフショアでは必需品です♪

レインウェアの使い所は雨が降っている時だけじゃないんです。

あと、ご注意いただきたいのはレインウェアでもベンチレーションの機能をつければ通気性を持たせることは可能です。
(脇の下等にチャックがあるレインジャケット等)

もちろん、ファスナー部分の漏水のリスクは高まりますが、透湿性が追いつかないほど急激にウェア内部の温度や湿度が上がった際にはベンチレーション部分を開放する事で、ウェア中の環境を一気に適正に戻す事ができます。
(雨降ってる最中にやると中びしょ濡れになります。)

イメージ的には室内の換気の為に窓を開ける感じですね。

このベンチレーション機能を搭載するか否かは、メリットもデメリットもあるのでどっちが良いかという話はここではしません。

という感じで『透湿性と通気性』のお話でしたがいかがでしたでしょうか?

似たような語感ですが、その性質はまったく別物。

でもその性質を正しく理解して活用していただければ、更に快適なウェア選びができると思います。

ということで今日はこの辺で。

次回は『ラッシュガードは夏だけじゃない!!~より透湿性を発揮させる為に~』をお送りしたいと思います。

 

 

 

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ウェアの基礎知識講座⑥『ウェーダーの透湿と撥水の関係性』

皆様こんにちは!!
コジマです。

本日はウェアの基礎知識講座⑥です。
前回は撥水復活の儀式のお話をしました。
※前回のログはこちら

そして今回は『ウェーダーの透湿と撥水の関係』についてです。

透湿と撥水シリーズの番外編とでも申しましょうか。
ただ、この話は透湿素材を採用したウェーダーの話であって、非透湿のPVCウェーダーにはあてはまりませんのでご注意を。

以前、撥水が切れるとウェアの表面に水の壁ができて透湿性が落ちますよ~っという話をしたと思います。
※そのログはこちら

水の壁ができると透湿性が落ちる…

あれ?ウェーダーって水の中に入ってないっけ?
じゃあ、ウェーダーの透湿素材って意味無くない?

そう思った方。
いいとこに気が付きましたね。

水中に入る際に使うウェーダー。
水の中に入っている部分は透湿素材の意味が無いのか?

透湿素材の意味はあります!!!!

そう、水に入っている部分でも透湿性は発揮されているんです。
でも条件がありまして。

それは撥水が効いている事。

撥水は撥水基という分子の働きで水と表地が直接触れ合わないようになっています。

触れ合わないという事はつまり、表地と水の間には極々僅かですが隙間が空いている事になります。
(要は撥水基分の隙間ですね。)

はい、勘の良い方は気が付きましたね。

そう、その隙間から水蒸気が抜けてるんです!!

絵に描くとこんな感じです。

いや、ほんと私もこれ知った時は驚きましたよ。
なんちゅうメカニズム。
考えた人凄いです、本当に。

で、今回これで終わりじゃないですよ。

撥水が効いてるから透湿性が発揮できるという事は、撥水が切れたらダメだって事ですね。

レインウェアと同様にウェーダーも使っていると表地に水が染みて色が変わってきますよね。
もちろんこの時点で中に水は浸入していません。

でも表地が濡れているという事は、透湿性が失われ、再結露が起きてしまう状態だという事になります。

こんな経験はございませんか?

最近ウェダー履くとやたら中が濡れてるんだよな~
靴下とか股のとことか濡れてるんだけど、水漏れの検査してもどこも漏れてないんだよな~…

これ、再結露の可能性大です。

人間、想像以上の汗をかいています。
昔CMで『人は寝ている間にコップ1杯の汗をかく』なんてのもありました。

個人差ありますが、寝ているだけでコップ1杯。
ウェーダー履いて歩けばもっと出るでしょう。

その水分が再結露でウェーダー内に戻ってくれば、『漏水してる!!』と思ってもおかしくはないですね。

つまりウェーダーもレインウェア同様に撥水の維持、復活が快適に使用する為のキーポイントなんですね。

なのでウェーダーも日頃のメンテナンスは欠かせません。

当然、洗濯機で洗うわけにも乾燥機にかけるわけにもいきませんので少し工夫は必要ですので、ここでは私が実践している方法を参考までにご紹介します。

まず洗う段階ですが、基本的には短時間しか使用していないときは釣行後に真水で洗い流します。
で、ちょっと撥水が切れてきてるかな~っと思ったら乾燥後に撥水スプレーを使用して撥水を復活させます。


ZAC-952 リバイベックス インスタントウォータープルーフィング 1600円
※製品ページはこちら。

これはブーツタイプもソックスタイプも同様です。

そして本格的なメンテナンスの場合ですが、基本的にはレインウェア同様に

汚れを落す→撥水を復活させる→熱処理

という流れです。

んで、汚れを落す際は洗濯機の代わりにウェア用洗剤、もしくは中性洗剤をつけた柔らかいスポンジで軽く洗います。

そしてしっかりすすいだら、こちら↓

ZAC-957 リバイベックス デュラブルウォータープルーフィング
2000円 ※製品ページはこちら

濡れている状態でデュラブルウォータープルーフィングを満遍なく吹き付けます。

その後しっかり乾燥させ、ソックスタイプは当て布をしてアイロン掛けします。
※方法は前回ログを参照下さい。

ブーツタイプの場合、大体のご家庭では室内でアイロン掛けを行うと家族から非難の的になると思いますが、場所が確保できれば行って下さい。

不可能ならばドライヤー。

電気代や騒音によりそれも許可が出ない場合は、デュラブルウォータープルーフィングスプレーではなく、乾燥させた状態でインスタントウォータープルーフィング(撥水スプレー)で処理しましょう。

こうする事で、より長く快適にウェーダーを使用する事ができるはずです。

思ったより長くなって自分でも驚いているので、今日はこの辺で。

次回はまた原点に戻って用語解説。
『透湿性と通気性の違い』についてお話しようかと思います。

それでは。

 

 

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