濡れるほどにグリップするグローブって?

皆様こんにちは!!
コジマです。

本日はグローブのお話。

弊社のグローブのグリップ部には独自のグリップ素材を採用しているのが最大の特徴です。
(立体裁断とか何とかは言うまでも無く採用してます。)

そのグリップ素材の名は

『New Power Grip(ニューパワーグリップ)』

です。


掌部分の黒い素材です。

この素材、初めて耳にされた方も多いと思いますが、それもそのはず。

この素材は釣り具業界ではPazdesignのみの独占採用で、その他のプロスポーツ選手用で採用されている際は特に決まった名称がありません。

このグリップ素材を作っている工場の社長さんが本当に職人気質な方で、『別に名前で性能が変わる訳じゃねぇんだから、名前なんか無いから、付けたかったら好きに付けていいよ』って事で『New Power Grip』と命名させていただきました(笑)

このニューパワーグリップですが、現在、Pazdesignの全てのグローブに採用されています。
※カイロポケット手甲を除く。

その最大の特徴は『濡れるほどにグリップ力が増す』事です。

一般的なグリップ素材であるシリコン、ゴム、合皮等々と違い、濡れた事でグリップ力の低下が起こることはありません。
むしろグリップ力がアップします。


魚のヌルも問題なし!!

その秘密はニューパワーグリップの作り方にあります。

ニューパワーグリップは織物に特殊なグリップ素材を含浸させて(含ませて)作っています。

完全によくわからない説明なので掘り下げていきますと、まず『織物』というのは糸を縦横に『織って』作ってある布地のことです。

この織物の特徴は糸を縦横に規則正しく織ってあるので、繊維の目が均一になっていて、強度も安定します。
ワイシャツなんかを想像してもらうとわかりやすいですかね。
繊維の目があるので通気性(簡単にいうと風通しがいい)もあります。

で、この織物に特殊なグリップ素材を含浸させるわけですが、ではそれで『何故濡れるとグリップ力が増すのか?』という事になるわけです。

それには逆に『何故濡れるとグリップ力が落ちるのか?』を考える必要があります。

シリコンやゴムのグリップ素材は水を含みませんよね?
むしろ防水素材ですよね?

とうことは濡れたグローブでロッドを持った時、その水分はどこにも吸収されずグリップ素材とロッド間に存在します。
そうすると滑るわけです。

タイヤを想像して下さい。
溝の無いツルツルのタイヤで濡れた路面を走るとどうなりますか?
タイヤはゴムですよね?

そういうことです。

ニューパワーグリップは織物ですから、繊維の目から水分が抜けていきます。
最新の道路なんかで雨が降っても水溜りができない道路がありますが、そんな感じのイメージです。

これに加え、含浸させてある特殊グリップ素材には中にグリップする粒子が含まれています。
(目に見えないくらいの小さいやつです。)

普段もこの粒子のお陰でかなりのグリップ力ですが、水分が繊維の目から抜けていく時に毛細管現象により、このグリップ粒子が表面に浮き上ってくるのです。

これが『濡れるほどにグリップ力が増す』仕組みです。

ニューパワーグリップは『グリップする事へのアプローチ』そのものが他のグリップ素材とは全く違うのです。

Pazdesignテスター陣も弊社製品を使って一番驚くのはこのグローブのグリップ力です。


テスター・河野さんのグローブ紹介記事

確かなグリップ力は釣行時のストレスを軽減するだけでなく、ロッド操作の精度が上がるので、キャスト精度もアップします。

『グローブをする事で釣りが上手くなる』

そんなグローブです。
※効果効能は個人差があります。

現在では0.7mm厚のノーマルに加え、0.2mm厚の極薄高感度のライトゲーム専用モデルも用意しています。

『グローブは感度が落ちるから…』と思っている方、是非、一度0.2mm厚を使ってみて下さい。

驚くこと間違いなしです。

ちなみに現在の夏用(3シーズン向け)ラインナップは


SLG-014 5フィンガーレスグローブSP
掌側全面グリップのハイエンドモデル。
掌の全ての部分でグリップするので、安心感は抜群です。


PGV-024 5フィンガーレスクールドライグローブ
人工皮革アマーラにニューパワーグリップを部分的に配置したモデル。
グリップは位置はテストを重ね最適な位置に。
全面タイプよりもグリップできる部分は減るものの、アマーラ部分が肌馴染みがよく、着け心地の良いモデル。


PGV-029 センサータッチクールグローブ(廃盤)
掌側に0.2mm厚のニューパワーグリップを採用した、極薄高感度モデル。ライトゲームや渓流、ブラックバスにオススメ。


SLG-013 オフショアグローブSP
オフショア用フルフィンガーモデル。
ロッドアクションの変化も対応する全面グリップ仕様。
人差し指と親指は人工皮革アマーラ。


PGV-033 オフショアグローブ・レザー
オフショア用フルフィンガータイプで、人工皮革アマーラにニューパワーグリップを部分的に配置したモデル。
親指と人差し指には感度と滑らかさが特徴のカンガルーレザー使用。


PGV-025 アルティメットG-1S
フィット感と操作感が抜群のキャスティングゲーム専用モデル。
ニューパワーグリップは掌と小指、薬指、中指先端に部分配置。
部分的にあえて滑りの良い素材を使い、グリップ力とキャストしやすさのバランスが秀逸なモデル。

是非、今年はニューパワーグリップの性能をご体感下さい。

それでは今日はこの辺で。

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ウェアの基礎知識講座⑤『復活の儀式 第2章 ~撥水復活~』

皆様こんにちは!!
コジマです。

本日はウェアの基礎知識講座⑤です。

前回はレインウェアの洗濯方法についてお話しましたが、今日はいよいよお待ちかね…

『撥水復活の儀式』です!!

という事で実際に撥水を復活させていきましょう。

とりあえずまずは前回の流れで洗濯までやって下さい。
※前回のログ

そして洗濯・すすぎが終りましたら、いよいよ『撥水復活の儀式』です。

が、ここでお知らせ。

撥水復活に使ういわゆる撥水剤にはいくつか種類があります。
なのでまずはそちらを簡単な説明と共にご紹介します。


ZAC-952 リバイベックス インスタントウォータープルーフィング 1600円
※製品ページはこちら。

いわゆる撥水スプレーです。乾いているウェアに対して使用します。
熱加工しなくても撥水が定着しやすいのがリバイベックスの撥水スプレーの特徴です。
手軽ですが漬け込みタイプに比べてムラになりやすいのと、やっぱり熱処理した方が撥水の効果は高いです。

ZAC-956 デュラブルウォーターリペレント
2000円※製品ページはこちら

こちらはスプレーオンと呼ばれるタイプです。
霧吹きで撥水剤を吹き付けるタイプで、洗濯後濡れた状態で使用します。
熱処理無しでも使用可能ですが、熱処理を加えれば漬け込みタイプ同等の撥水効果を発揮します。
ムラになりやすいのはエアゾールタイプと同様です。

個人的には最近日頃のお手入れで一番良く使っており、その理由は『洗ったついでに手軽に使用できるから』です。
撥水スプレーは乾かさないと使えないので、洗って時間が経ってからしか使用できません。
なので、帰宅後のテンション高めの状態で洗ったついでに撥水処理ができるこのタイプを使う事が多くなりました。

そして上記2つのスプレータイプ共通の特徴として外側だけに撥水処理を施すので、中綿等が入っている防寒着に使用する際も中の素材に影響を与えず使用する事が出来ます。

そしてラストは


ZAC-951 リバイベックス ウォッシュインウォータープルーフィング
※製品ページはこちら

こちらもお馴染み漬け込みタイプです。
洗濯後のウェアを漬け込んで使用するのでムラなく仕上がります。
多少面倒ですが漬け込み後に熱処理が必要なタイプです。
しかし、仕上がりは抜群ですので本格的に撥水復活をさせるならこれがオススメです。
また、リバイベックスはフッ素を使用していないので、健康面・環境面に配慮した撥水剤です。

現在、弊社ではこの3種類の撥水剤を取り扱っています。

今回は最後にご紹介した、漬け込みタイプの『ウォッシュインウォータープルーフィング』での復活の儀式をやってみましょう。

と、意気込んでみたものの流石ウェアメーカー、どのウェアもバッチリ撥水が効いていたので復活させる必要なし…w

なので、私の通勤着である某アウトドアメーカーの10年物の2レイヤーレインで復活の儀式を行います(笑)

まず、プロクリーナーで洗濯したウェアを撥水剤を入れたタライの中に漬け込みます。

今はタライでやってますが、洗濯機でも出来ますし、奥様などから洗濯機の使用許可がでず、タライもない場合は浴槽(使用できる素材かどうかはご確認下さい。)等でも漬け込み可能です。
さらに浴槽も許可が出ない場合の個人的なオススメは『クーラーボックス』です。30L以上のものがオススメです。
これなら誰にも文句は言われないと思いますw

漬け込む水の量は『ウェアが浸る程度』でOKです。
明確に何Lとかはありません。

撥水剤の量は通常はジャケット1着で付属のキャップ4杯分が目安です。
大きいサイズのジャケットは4~9杯の間で調整して下さい。

撥水剤を入れたら洗濯機の場合は10分間回して下さい。
この場合、ウェアはネットに入れ、すすぎはしないで下さい。

手作業の場合はムラにならないようにしっかりかき混ぜて、そのまま10分~1時間程度漬け置きます。

そして漬け込みが済んだら形を整え、ハンガー等に掛けて水が滴らないくらいまで陰干しします。
(完全に乾かさなくてもOKです。)

水が滴らなくなったら熱処理を行うんですが、その方法が

・乾燥機にて中温で40~60分
・当て布してアイロンの中温で
・ドライヤーの温風

が代表的な熱処理方法です。

一番楽でムラなく仕上がるのは乾燥機での熱処理です。
乾燥機に入れて中温に設定して40~60分回せば出来上がり。
基本的にこのやり方を推奨している場合がほとんどです。

次は当て布してアイロン。
洗濯機、乾燥機が使用できないタイプのウェアの熱処理や乾燥機が無い場合に向いてます。


実際にやるとこんな感じです。​

注意としては80℃~120℃でサッと撫でるようにアイロン掛けすること。
当て布をしても長い時間アイロンを当てていると表地のナイロンが溶けたりしますので、あくまでサッと撫でるようにやって下さい。

そして最後はドライヤーの温風。
これはアイロン使用禁止のウェアの熱処理に。
ただ、時間掛かるしムラも出るので基本あんまりやらないです。

前回のログで少し触れましたが、アイロン使用禁止の洗濯表示があっても撥水定着の時はアイロンを使用する事があります。

これは表現が難しいんですが、アイロン使用禁止の洗濯表示はあくまで、一般的なアイロン掛けが禁止という事です。

さっきも言った通り、アイロンは当て布してサッと撫でるだけなので表地が溶けたり生地が痛む温度にならないように使う形になります。

撥水定着の為のアイロン使用は、ある程度の熱を加える事ができればそれでいいので、洗濯表示に従わずにアイロンを使用しています。

ただ、ここは一応自己責任になる部分ですので、気になる方はドライヤーの温風を使用していただいた方が良いと思います。

ただ、もう一度言いますが基本的には乾燥機が一番オススメです。

という事で今回は乾燥機で60分。
出来上がってきたウェアに水を掛けてみると…

ほら、この通り復活です。

洗濯から撥水復活までトータル大体2時間くらいでできました。
洗濯機と乾燥機が使える状態であれば、かなり手軽でアッと言う間に出来上がります。

ちなみにこの作業、登山で使う方などは使用する度に行われてます。

ということで『撥水復活の儀式』いかがでしたでしょうか?

次回は『ウェーダーの透湿の謎と撥水の関係性』についてお話します。

それでは今日はこの辺で。

 

 

 

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ウェアの基礎知識講座④『レインウェアの洗濯について』

皆様こんにちは!!
コジマです。

本日はウェアの基礎知識講座④です。

前回は『撥水と防水 ~その2~』撥水の役割についてお話しました。
前回のログはこちら。

で、最終的に『撥水の敵は汚れですよ』的な流れになったと思います。
そして撥水には『復活の儀式』があるとも前回言いました。

その『復活の儀式 ~第一章~』が洗濯なんです!!

前回お話しましたが、撥水の敵は『汚れと摩擦』。
つまり使っているうちにだんだん撥水は効かなくなってきます。

で、なぜ『復活の儀式 ~第一章~』が洗濯なのか?

それはレインウェアが汚れている状態でいくら撥水を復活させようとしても、その汚れが邪魔をして撥水が復活しないからです。

​なのでまずは汚れを落す事からがスタートです。

ということで前振りが長くなりましたが、今回はレインウェアの洗濯についてです。

まず、一つお伝えしたい事があります。

皆様、レインウェアはご自宅で洗えます。

意外と自宅ではメンテナンス不可能と思われている方が多いので、まず大前提としてこれを言っておきます。

さて本題ですが、『洗う』と一言に言ってもですね、『毎回洗うの?』とか『どのくらいの頻度で洗うの?』とか色々疑問があると思います。

基本的には釣行後に真水で全体を流してもらえれば日頃のお手入れとしてはとりあえずOKです。

ここで肝心なのは、『真水』で洗うこと。
淡水ならOKというわけではありません。

淡水でも自然の水には様々なバクテリアや微生物が生息しているので、それがそのままになると劣化や臭いの原因になる事がありますので、必ず水道水等の真水で洗って下さい。

そして洗った後は風通しの良い日陰で『しっかり』乾かして下さい。
ここでしっかり乾かさないと、『加水分解』と言う現象が起きて、後でどえらい事になりますので要注意です。
レインウェアは防水ですが、湿気や水分は劣化の原因になります。
※『加水分解』は後日説明します。

個人的には乾かす時は、フロントジッパーを全部開き内側までしっかり乾燥させます。
フロントジッパーを全開にする事で内部を乾かせるだけでなく、ファスナースライダー部分に水分が溜まって錆や固着が発生しないようにする意味合いもあります。

さて、日頃のお手入れはこれでいいとして『本気の洗濯はいつやるの?』という疑問が出てくると思います。

これについては人それぞれ尺度があると思いますが、個人的には

『撥水が効かなくなって表地が水を吸うようになってきたら』
『防寒ウェアへの衣替えのタイミング』

大体このタイミングですね。

そして本気の洗濯をする際の最大の注意点ですが

洗濯表示に従う事!!!!

これ最重要です。
基本的には必ず洗濯表示を守って下さい。
これを守らないとレインウェアがダメになってしまう可能性もあります。

ここで洗濯表示の例です。


弊社BS3レイヤーレインジャケットの洗濯表示です。

左上から

…液温は30℃が限度で中性洗剤で弱い手洗い
※実際の表示は30の下に中性

…漂白不可

…アイロン不可
※いわゆるアイロン掛けの事で撥水定着の場合は後日説明します。

…ドライクリーニング不可

…絞ってはいけない

…日陰で吊るし干し
出展:消費者庁ウェブサイト『洗濯表示』を編集して作成

ということで、基本的にこのレインウェアは、30℃以下の温度で手洗いし(洗濯機の手洗いモード、ドライモードはOK)、日陰で吊るし干ししなければなりません。
※『基本的』と言っている理由は撥水復活の話の時に説明します。

余談ですが、お手入れが良くないとレインやウェダーの内側に黒カビが発生する事があり、それに漂白剤やカ〇キラーを使う方がいますが…

当然、NGです。
※正確にいうと『何かあっても責任は持てません』ですね。

あのカビを落す方法は…生地を痛めずにやるやり方は現時点ではありませんので、発生させないように注意して下さい。

という事で洗濯に話を戻すと、このレインウェアの場合は手洗いになるので、タライや浴槽等で押し洗いしていただくか、洗濯機の手洗いモード、ドライモードで洗っていただきます。

その際、ファスナーを開けたままだと、ファスナーで生地を痛めてしまう事があるので、必ず全てのファスナーを閉めて下さい。
(洗濯機を使用する際はネットに入れていただくとより良いです。)

さてここで『洗剤は?』となりますが、ぶっちゃけ普通の洗濯洗剤でも使えなくはないです。

ただ、撥水の機能低下の原因の一つに『洗剤カス』があるのですすぎ残しがあると逆に撥水低下の原因になります。

この時点で粉状の洗剤はかなり不利です。
手洗いの場合は液体洗剤でも結構ツライですね。

また、最近良く見かける柔軟剤入りの洗剤もアウトです。

柔軟剤が入っていると撥水基が全てダメになります。
優しさや思いやりが全て裏目ですw

で、ここでオススメなのがこちら↓

REVIVEX プロクリーナー メーカー価格 1,300円
洗濯可能着数:約ジャケット20着
※弊社でも取り扱っております♪

要はこれ、『機能性ウェア専用洗剤』です。

普通の洗剤と何が違うかと言うと、一番は『洗剤切れ』です。
すすいだ時に洗剤カスが残りにくいので、手洗いの際でも安心です。
そして環境負荷の少ない素材を使っていますので、通常の洗濯洗剤よりも地球に優しいです。

ということで、普通の洗濯洗剤よりも専用洗剤をお使いいただくことをオススメします。

さて、既に結構な長編になっているので洗濯編はこの辺で。

次回は『復活の儀式 ~第二章~』で実際に撥水を復活させていきましょう。

この撥水の復活方法にも何パターンかありますのでお楽しみに。

 

 

 

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