MAKING OF STREAM BEYOND #5 ただ巻きのチカラ

 

皆さんこんにちは。
最近頻繁にPazdesignスタッフブログに現れるようになった富山の飛田俊一郎です。

それもそのはず。もうそこまで来てますからね。

何がって…

【2022サクラマス解禁】

 

年が明けた時点で北陸の聖地九頭竜川の解禁まで1ヶ月。
なんやかんやしているうちにあと10日になっちゃいました。
早く準備しなければ…。

確かにストリームビヨンド95MDの開発が始まってから2年以上、その時から僕にはサクラマスのオフシーズンはなくずっとサクラマスルアーの事ばかり考える日々。ようやくそれにも慣れてきたと思ったら、季節感が無くなるという始末(笑)
早く体内時計を北陸サクラマスにアジャストさせなければいけません。

さてさて、そんなこんなで本題にはいります。

今日からはストリームビヨンド95MDの使いどころを深堀り
とうとう連載5回目にして、経験則にもとづいたルアーに込められた性能の話に入りたいと思います。

今回はゴリゴリのイメージの話
まあまあ深くて、イメージに合う写真はありません。
もしか、面白くないかもしれない話になるかも(笑)適当に斜め読みして、取り入れられる感覚があれば加えていただけれは嬉しいです。

さてこのストリームビヨンド95MD、ことサクラマスにおいて結果は

北陸石川県の犀川。


秋田県の米代川で出ておりますが、当初想定したのは北陸河川でした。


個人的実績河川としては、西から福井県:九頭竜川。


石川県:手取川、犀川。


富山県:庄川、神通川、黒部川。


と、ここ7~8年間でまあまあ真面目に、現在進行形でこれらの河川を攻略し実績を上げてきました。

その経験を如何にして一つのルアーに込めるか。

それがストリームビヨンド95MDに課せられたテーマだったように思えます。
そんなストリームビヨンド95MDに込めた最大の武器、それは「ただ巻きの性能」だと思っています。

ただ巻きの性能???

個人的には「ただ巻きが釣れる」とか「ストリームビヨンド95MDのただ巻きそのものに特別な食わせのチカラがある」とか「ただ巻きにサクラマスのスイッチを入れる要素」があるとは思っていません。(少しは思った方がよいのかな?笑)

では、ストリームビヨンド95MDをただ巻きする事によって何が得られるのか?
それは「その流れがどんな流れなのか」つまり「流れの質」を掴む事ができると思っています。
どの引き心地の流れの中に鱒が潜んでいるか。
そこをリサーチする
わけです。

個人的な感覚です。

サクラマスやトラウト全般、僕が楽しんでいるそしてルアーフィッシング全般にいえる感覚ですが、僕はそのルアーで釣るというよりも「ルアーに水の中を見てきてもらう」という感覚が強いかもしれません。「見てきてもらう」って言ってもルアーにカメラがついているわけではありません。

ルアーを泳がせて、巻きのスピード、流れの強さ、ウォーターポケットに入った時の抜け、ルアーの戻りをラインを通して手に感覚として伝え、脳はそれをイメージとして映像化します。

その映像は、実際の水中映像とは違っていても全く問題なくて、イメージした流れのどこで魚が食ってくるか、綺麗に流れを切り続けてCTスキャンのように流れを輪切りにするイメージです。

そして、遂に来たサクラマスのバイトが流れの中のどこで起きたアクションなのかを分析します。流れの質の「イメージ化」「3Ⅾ化」「可視化」
言葉でいうならばそんな感覚でしょうか。

個人的にその作業は、お医者さんが患者さんの体に手を当て触診で患部を断定していくのと、その場所にルアーを入れ込み見てきてもらう感覚は本当によく似ている。
そのポイントに入るとだいたい鱒は反応すると思っています。

僕は釣り人としては特別上手な方ではありません。むしろ釣りが下手な方だと思っています。
そんな僕がサクラマスを釣るために、上手な先輩方に教えを請い自らそれを消化したどり着いた武器の1つがが「ただ巻き」そしてその「ただ巻き」をもっとわかりやすく、イメージ化するための要素をストリームビヨンド95MDに込めました。

その流れの感覚はどの河川でも通用する感覚。
この感覚こそが経験値となり標準的な引き心地を確立した後は、その感覚がいろんな河川を攻略する糸口になります。

【ハイレスポンスミノー】

 

『Gijie特別編集サクラマス2022』の中で山中編集長がストリームビヨンド95MDにつけてくださった名前です。

このハイレスポンスミノーとは一般的なジャークやトゥイッチングで機敏に反応するという意味ではなく、動画を見てもらってもわかるようにただ巻き時に水流の変化を受け機敏に反応し、食わせのタイミングを作るという意味です。
つまり流れの強弱でルアーの泳ぎを変化させる設計になっています。

またハイレスポンス故、手に伝わる水流の強弱もわかりやすくなるということ。ルアーを目の前で泳がせてもらうとよくわかるのですが、手に伝わる感じが抜けていてもやんわりアクションは起きています。
その辺は目視での動きの感覚と手に伝わる感覚を合わせてあげてください。

つまり、ただ巻きとは。
ずっと一定のリズムで巻き続ける事ではなく、流れの質を見極め水流によって適切なリトリーブスピードを判断し、流れと対峙する事だと思っています。

皆さま、ストリームビヨンド95MDのイメージはなんとなく想像できたでしょうか。

もうおわかりでしょう。
ハイレスポンスという事は強い流れをゴリゴリ巻くことが不得意なミノーだという事を。

強い流れの中のヨレ(流れの弱い所)を探し出すのが得意なミノーだという事を。

その流れの下で休む鱒にしっかりと魅せられるという事を。

いわゆるドリフトの釣りが得意なアングラーさんの強い武器になる事を。

緩い流れの中デッドスローで引いてもアクションが止まりずらいという事。

そのデッドスローにしか反応しない鱒がいる事を。

 

それが次世代のハイレスポンスミノー、ストリームビヨンド95MDに込めた性能の一部になります。

 

あ~今回も長くなってしまった…。
今回も書ききれなかったよ…。
続きはまた次回…。
ではまた~。

 

 

 

 

 

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MAKING OF STREAM BEYOND #4 カラー解説

 

どうもどうも、前日に引き続きまして富山の飛田俊一郎です。

昨日は調子に乗ってめちゃめちゃ書いてしまいまして、カラーチャートの解説が一日遅くなってしまいすみません。

 

昨日のスペック解説の記事はこちら↓
MAKING OF STREAM BEYOND #3 スペック解説

以前からまあまあネタバレ感は強いのですが、では早速ストリームビヨンド95MDのスターティングカラーを発表したいと思います。

 

reedルアー開発担当の吉島さん、Pazdesignテスター志賀君の考案カラーはそれぞれご本人からコメントをいただきました!


#001 スノーブルーBF

北陸では鉄板なブルーバックですが、テストをあちこち回っているうちに、全国的にも鉄板カラーだという事が判明。テールスライドを綺麗に見せるため、ベリーのオレンジをテールにも渡し込ませ、サイド赤い追星はアタックポイントに。更にサイドはベイトフラッシュ※で仕上げ、ギラギラアピール度は最高レベル。雪代対応カラー。
※reedオリジナルの銀粉。

 


#002 フラッシュアカキンBF
ド定番の赤金オレンジベリーをベイトフラッシュでアクセント。犀川でレインボーをキャッチした時のアタリカラー。やはり定番色には積み上げてきた歴史があり、トラウト創成期からの釣れ筋カラー。

 


#003 旅立ち鮭稚魚BF
バックウォッシュビヨンドのノーザンカラーをマイナーチェンジ。ベイトフラッシュでより広範囲にアピール。ナチュラルハイアピールカラー。定番パターンとパズデザインの融合カラー

 


#004 はらぺこヤマメ
モチーフはあの世界的有名絵本。夢のある配色とはウラハラに視認性抜群、バックサイドは濁りに強いグリーンチャートでまとめ、ベリーは鱒が好むパープルを配色。この色が鱒に口についていたらドキドキするよね。(ベリーUV予定)

 


#005 スパークルグリーン
兄貴分バックウォッシュビヨンドの爆釣カラー、デイヒラスペシャルをトラウトチューン。北陸ではド定番のグリーンバックに喉元とテールにアタックポイントを設定。全天候型ナチュラルカラーでクリアウォーターの時のパイロットルアーとしてもGOOD!!(ベリーUV予定)

 


#006 マスムラキャンディー
鱒族が好むパープルカラーでバックとベリーをサンドウィッチ。サイドはトラウトには珍しいキャンディーパターンを配置。激戦区で朝2番目以降に流す時を想定し、人と被らないような配色を意識して作製。(ベリーUV予定)

 


#007 ライムチャートヤマメBF
聖地、九頭竜川のサクラマスではど定番のライムチャートをベースに、reedオリジナルのベイトフラッシュ(銀粉)を組み込みこんだハイアピールカラー。
赤いワンポイントのエラとシルバーのパーマークがキモ。

 


#008 パールアユ
定番鮎カラーに少しだけギミックを追加背中のチャートグリーンからショルダーのイエローへのグラデーションはローリングを綺麗に見せるため、テールのオレンジは鱒の視点をブラさないための配色。テスト釣行では米代川、犀川でサクラマスをキャッチ。

 


#009 TS
トラウトカラーと言えば「TS」を思い浮かべる程の永遠のオールラウンドカラー。
下地のメッキホロの上から鈍く光るパールホワイトの光沢は季節場所を問わず活躍するでしょう。カラーに悩んだ時にはコレです!
by reedルアー開発担当吉島

 


#010 ドラゴンヘッドGB
魚のスイッチを入れやすいピンクと黒の明滅カラー、ベリーにもグローが入っているので食いが渋ってる時にこそ威力を発揮します!
by Pazdesignテスター志賀憲太郎

 

 

以上10色が釣れ筋とハズシ、そしてドキドキと夢を乗せたストリームビヨンド95MDのスターティングラインナップとなります。

このラインナップを考えるときに、まず決めたことは「10色を綺麗にまとめるのをやめる」ということ。

ストリームビヨンドはビッグトラウトルアーの中でも後発も後発、最後発。
そんな僕らが売れ筋だけを考えて小さくまとまったカラー展開をしても、全然面白くない。
担当スタッフが「思い入れのある色」「喉から手が出るほど欲しい色」「これで絶対釣りたい色」をチョイスしました。(カラーがグリーンとパープルが多いのはそのせいかな~笑)

 

そんなこんなで、書ききりましたカラーバリエーション。今度また機会があれば1つのカラーに絞って深堀したいと思います。

 

今度は僕なりの使いどころでも書いてみようかな~。

ではまた~。

 

 

 

 

 

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MAKING OF STREAM BEYOND #3 スペック解説

 

みなさんこんにちは、富山の飛田俊一郎です。

 

さてさて前回の予告通り今回は待ちに待った!
いやお待たせしすぎた!!スペック発表です。

 

では、以下のスペックをご覧ください。

 

ストリームビヨンド95MD (BigTrout Model)
length:95mm
weight:12.8g
type:suspend
hook:#6
ring:#3
action:ウォブンロール+テールスライド
range:40~110㎝
¥1,400(税込¥1,540)

 

一通り順番に説明しますと長さは95ミリ

意外と長いと思われがちですが、手に取ってみるとそれほど重厚感はなくシュッとした感じ

12.8gという重量も従来の9㎝MDクラスのミノーと比べると若干重めなものの動きは軽快

一日投げていても苦にならないキャストフィールとなっております。

シンクレートはサスペンドとなっておりますが、それはあくまでこのオリジナルフックとリングでの設定

番手を上げたり線径の太いフックを使用の場合は超スローシンキングに。逆に番手を下げてリングを調整した場合には超スローフローティングにチューンできます。

もちろんそのままでもご使用になれますが対峙する流れやタックルのバランス、好きな引き心地を求めてセッティングを探すのもまた楽しみの一つ。

ぜひぜひ色々試してみてくださいね。

リップはと言いますと、従来のミッドダイバーにありがちなオフセットリップ(以下OL)ではなく一般的なミノーと同じノーマルリップ(以下NL)形状になっております。

というのも着水し、水を噛ませた瞬間から綺麗にアクションを始め誘い出したいため。
OLに比べ、潜行角度が若干浅いため最深部までの潜行時間は若干長いもののそれはあえての事遠くからじっくりロールフラッシュを魅せるための仕様となってます。

また、このNLは頭が下がらす平行姿勢を保ちシルエットを最大限大きく見せ、上を向いている鱒に対してその存在感をアピールする効果も。

 

そしてお気づきの方も多いと思いますが、リップそのものの形状もハニカム形状(ハチの巣、六角形)と独特の形

しっかり水を受けつつも適度に抜けるこの形は、現場でリップを削り込みながら作りました。
(もう一つの理由は…また今度裏技コーナーで話そうと思います)

 

アクションは動画でもおわかりのように、ロールが強めのウォブンロール。
動画のセッティングは若干スローシンキング気味のテンションサスペンド。ノーマルサスペンドにするよりも、若干シンキング仕様にするほうが、流れの強弱で”ちどる”テールスライドアクションを起こしやすいセッティングになります。

また、超スローフローティング設定にするとウォブリングが若干強まりテールスライドが抑えられる傾向が。

このストリームビヨンド、実は見た目からは想像できないほど繊細なバランスでできているんです。

それはやはりルアーの深度にも表れていて、竿を立てればシャローレンジを流れを使って送り込めば、設定最深レンジより潜っちゃうのがこのミノーの面白い所
つまり活性の高い魚を浮かせたりボトムから動かない魚の近くまでルアーを送り込んだり

サイズの割には出来る事の多いルアーに仕上がっています。

イメージのつかない方は、普通のMDよりほんのちょっとだけ浅いレンジをゆっくり引けて魚を浮かせて掛けるルアーだと思っていただいて大丈夫です。

 

そして最後に、この価格
¥1,400(税込¥1,540)

個人的には『えっ?』と。パズデザインさんちょっと頑張りすぎじゃない??なんて思っちゃいます(笑)

でも本当にその価値を決めるのは他でもないユーザー様。ぜひぜひ泳がせて判断していただけたら嬉しいです。

 

うわー、スペック解説だけでこんなに書いてしまった…。
筆がノッているのですぐにカラー解説の執筆に取り掛かります!!

ではまた。

 

 

 

 

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