ウェアの基礎知識講座29『来年も快適に!!衣替えのウェア保管時の注意点!!』

 

皆様こんにちは!!
コジマです。

本日はウェアの基礎知識講座29です。

だいぶお久し振りの基礎知識講座です。
別にネタ切れって訳でもないんですが、基礎知識講座も29回目にもなると割と大枠の話は済んでるんで、ネタがマニアック過ぎて掲載を悩む事が多いのは事実です(笑)

その辺のマニアックな話はまた今度と言う事でw

今回はタイムリーに衣替えネタを。

ここの所、各地で初雪も観測され一気に冬モードとなりました。
こうなってくると私のように、潔く『うん、今年はもう止めとこう』と思う人や、本腰入れて防寒用ウェアを着込み、ハイウェイトなシーバスをストイックに狙っていく人 に分かれてくると思います。

いずれの人にも起きる現象は、そう、『衣替え』。

インナー、ミドラーにレインウェアでやっていた人も、流石にちょっと厳しくなるでしょう。
透湿ウェーダーでは厳しく、クロロプレンウェーダーに衣替えする人もいるでしょう。

まあ、冬眠する人、防寒ウェアに乗り換える人、どちらにしてもレインウェアや透湿ウェーダーはお役御免となる事が多い訳です。

以前もお話しましたが、このタイミングこそウェアのトラブルが多発しがちです。
来年、いざシーズン本番となった時に快適に着れなくなるなんて事が発生してしまいます。

前置きが長くなりましたが、今回はこの冬のウェアの収納法を、以前のログをおさらいしながら解説していきたいと思います。

まず、ウェアの長期保管において気をつけていただきたいのは下記事項です。

・湿気による加水分解
・汚れと湿気によるカビの発生
・お手入れ不足によるファスナー類の塩噛み、固着
・高温多湿、直射日光の当たる場所での保管

どの項目も以前に解説したかと思いますが、もう一度振り返りましょう。

この3つ以外にも注意点はありますが、おおまかに考えると保管の肝は『湿度管理』と『収納時のお手入れ』にあると考えていただいていいかと思います。

上記の注意事項でいうと、カビの発生やファスナー類の塩噛みなんかは収納時にきっちり洗ってもらえれば、かなり防げます。
カビの発生は湿度管理にも掛かる部分はありますが、汚れや皮脂はカビの栄養になるので、汚れていれば当然カビも生えやすくなります。

なので、収納前に一旦、きっちりと洗って下さい。
そしてついでに撥水機能の回復もやっておきましょう。


※レインウェアの洗い方の記事はこちら
※撥水機能の回復方法の記事はこちら

んで、この時にファスナー類の塩噛みを防ぐワンポイントです。

この写真にあるようなスライダー部分に釣具店で販売してある塩噛み防止剤や、シリコンスプレーを少量吹いてから数回スライダーを上下させて下さい。

そうすると、保管時に塩噛みが発生しにくくなります。
※シリコンスプレー等はレインウェアの生地に直接付かないようにご注意下さい。

ファスナースライダー部は結構水が溜まりやすいので、乾燥機で乾かす場合はいいですが、吊るし干しだけだと結構水気が残りますので注意して下さい。
吊るし干しの際は、ファスナー類は開けて乾かしたほうがオススメです。

洗う時もザッと水で流したくらいだと塩気が抜けてない事もありますので、スライダー部分は念入りに流して下さい。

『洗ってるけど頻繁にファスナーが塩噛みする』と言う方は、大体の2パターンであることがほとんどです。

基本的にファスナーの塩噛みは回数に関係無く発生しますのでご注意下さい。

で、レインウェア同様に透湿ウェーダーもお手入れしてあげて下さい。

※ウェーダーのお手入れ方法はこちら
※ブーツタイプのお手入れ方法はこちら

続いては湿度管理。

これも以前からお話していますが、『久し振りに使おうと思ったらシームテープが剥げてきた』、『久し振りに使ったら漏水している』という事例の大きな原因の一つが、湿気により『加水分解』が発生し、接着剤が劣化する事にあります
※加水分解の詳しい記事はこちら


実際に加水分解で表地が剥離しボコボコしている状態(画像中央部分)

加水分解のややこしいところは、使用回数に関わらず保管状況で発生するので、時に『1回も使わずに2年くらい保管していたら使用時に漏水した』というような事例が発生したりもします。

使う側からすると『初回使用』で、作っている側からすると『2年の保管中に加水分解が起きたのでは?』という非常に判断に悩む時事象です。
(工場で検査すれば判別可能ではありますが…)

かと思えば10年くらいほったらかしでも何も問題ない事もあったりします。

あと、不思議な事に継続して使っていると加水分解は発生しにくいです。
保管しっぱなしっていうのが一番発生する率は高いですね。

いずれにしても『湿度管理』が保管の肝であり、なるべく湿気の少ないところで保管したり、時々風通しの良い日陰で干したりしてあげると長持ちするのは事実です。

冬なんだから乾燥してるし大丈夫でしょ?と思っている方、冬も要注意です。

冬場は屋内と屋外の温度差に起因する『結露』にご注意下さい。
空気は乾燥しているものの、この結露が発生する事によって、窓際や壁際、押入れの一部等の局地的に多湿な部分が存在する事があります。

特に機密性の高い鉄筋コンクリート製、いわゆるRC工法の建築物にお住まいの方はご注意下さい。
建物の機密性が高いと、建物内で発生した水蒸気の逃げ場が無く、結露が発生しやすくなります。

事実、昨年まで私が住んでいたマンションは、梅雨時や夏場は全く問題ないのに、冬になると部屋中結露が酷く、窓際だけでなく壁や天井にも水滴が出来るほどでした。

お陰でお気に入りのスニーカーがいくつか加水分解でダメになりました(涙)

もちろん、RC工法が全部ダメと言うわけではありません。

そのマンションも大家さんに聞いても、他の部屋では起きていないと首をかしげていたので、部屋の条件次第だと思います。
(最近では無結露RC住宅なんてのもありますしね)

ただ、冬の保管も気を抜かず、除湿剤や乾燥剤等を上手く使って湿気からウェア類を守って下さい。

以上、おさらい的にですが冬場のウェア保管法でした。

適切な保管方法で、来シーズンも快適にスタートしましょう♪

ということで今日はこの辺で。

 

 

 

 

 

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フローティングベストのお話 その2 『そもそも何故フローティングベストが必要なのか?』

 

皆様こんにちは!!
コジマです。

シーズンど真ん中なんで、レポートがドンドン届いたり、告知だったり、新商品だったりと、ログの内容が溜まり過ぎて嬉しい悲鳴をあげております。

そんなシーズンど真ん中なので、先週に引き続き『フローティングベストのお話』でございます。

前回は弊社のフローティングベスト各種のお話をざっくりとしました。
※前回のログはこちら

で、今回からは細かい仕様えをお伝えしよう…かと思ったんですが、ここで一つ大事な事を。

なんでフローティングベストって着ないといけないの?

これをお話しないのに、フローティングベスト云々言っても始まらないので、これについてお話しましょう。
※あくまでも基本的なお話です。

まず、そもそもフローティングベストを着用するのは何の為か?

来年2月から船舶上では救命胴衣の着用が法的に義務化されますが、おかっぱりに関しては現時点では『努力義務』ですので、『着けるように努めなくてはならない』という規定で、法的に罰則がある訳ではありません。

罰則は無いにも関わらず、何故これほどまでに着用を呼びかけるのか?

それはズバリ『落水時の生存率を高める為』でしょう。

その他の機能やら何やらのアレコレはその後です。

最近は随分着用の意識が高まっており、海での釣りではフローティングベストの着用率は随分上がっているとは思います。

しかしながらSNS等を見ると、テトラでの釣りや割と高い防波堤の割と危険度の高い釣りでも、まだまだ着用してない方も見受けられます。

『インスタ映え』気にする前にフローティングベスト着ましょうね!!

まあ、着ける着けないの線引きって難しい部分も多いですが、水深、流れ、波、堤防等落水時に上がる場所が無い等の影響を考えると最早海釣りは必須でしょうね。

淡水でも本流域のトラウトや湖、ダム、野池も野ダムタイプや皿池タイプのように、岸から急に深くなるような場所は着用をオススメします。

ちなみに海上保安庁発表の資料によると船舶上からの落水事故は救命胴衣非着用者の死亡率は約4倍だそうです。
※資料へのリンクはこちら

この資料を見る限り、おかっぱりでも非着用者の死亡率は着用者の1.5倍ほどになっています。
※この資料は『海中転落者』という括りなので、全て釣り人という訳ではありません。

もちろん、着用していても死亡してしまう事もありますが、非着用者に比べれば助かる可能性は高い事はこの資料で一目瞭然ですね。

あと、数年前にフィッシングショーでプロアングラーの方(誰か忘れちゃいましたが…)が、『着用することで、生きてる死んでるは別にして、家族のもとに帰れる率は大きく上がります』と言われていたのが印象的でしたが、その通りだと思います。

フローティングベストを着用していれば、生死に関わらずある程度の時間は浮いています。
※浮力の目安は基本的に『一定時間頭部が水から出ている状態』です。

ということは陸に流れ着く確率や、浮いているところを発見してもらえる確率はグンと上がるでしょう。
帰ってもこない、遺体も発見できないという最悪の事態が発生する確率を減らせます。

余談ですが、私は万が一の時の為に必ず釣行時は身分証の入った財布を持ち歩きます。
そうすることで身元が確認できますから。

幸いにも臆病な性格のお陰で、私は今まで大きな落水事故や波にさらわれたり流されたりはありませんが、それでもウェーディング中にすっ転んだりはよくします。

その時にいつも思うのが、『この後、浮く』という気持ちの余裕は本当に大きいという事です。
深みに嵌った時にも、『この後浮くから、一旦落ち着こう』と思えると随分と冷静になれるものです。
当然、正しく着用している事が前提です。
※フローティングベストの正しい着用法はこちら

つまり、フローティングベストを着ているとパニックなる可能性が低いという事です。

落水時や転倒時に一番良くないのがパニックに陥る事だと思います。

頭まで水に沈み、パニックになって前後不覚になれば水面がどちらか?岸がどちらか?それすらもわからなくなり、焦れば焦るほどに水を飲み、体力を消耗します。

フローティングベスト着用時に落水、転倒したときの基本は、『落ち着いてベストの浮力にまかせ一旦浮かぶ』です。
これで気持ちと体勢を落ち着かせて、岸の方向や上がる場所の有無等の状況を確認しましょう。

そして自分の力ではどうにもならない時は無理せず速やかに局番無しの『118』へ連絡し、助けを求めて下さい。
もちろん、落水し溺れている人を発見した時も同様です。

海のもしもは『118』

これを忘れずに。

こういう事も考えると、やはり釣行は2名以上で行くのが好ましいですね。

海難事故に限らずですが、死亡事故は家族はもちろん、友人、知人、沢山の人を悲しませます。
悲しみも当然ですが、現実的なことを言えば、社会人であれば職場にも迷惑かけますし、フィールドにも釣り禁止等何らかの影響を与えます。

自分一人で済む事ではないんです。

全ての事故を防ぐ事は出来ませんが、フローティングベストを着用する事で防げる事は多いと思います。

このログをご覧の方は既に着用されている方が殆どだとおもいますんで、これから始める方や、着用していない方に着用を勧めてあげてください。

楽しい釣りを、いつまでも楽しく出来るように皆様のご協力もお願いします。

それでは今日はこの辺で。

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ウェアの基礎知識講座28『渓流禁漁目前!!ウェーダーは収納前にお手入れを!!』

 

皆様こんにちは!!
コジマです。

本日はウェアの基礎知識講座28です。

前回は秋シーズンのウェア選び、特にズボン類に関してお話をしました。
※前回のログはこちら。 

今回は渓流禁漁目前と言う事で、来シーズンまた快適にウェーダーを穿く為に保管前のメンテナンス方法をご説明したいと思います。

今年もしっかり活躍してくれたウェーダーを労う為に、そして来シーズンスタートから気持ち良く釣りをする為に、収納前にきっちりメンテナンスしましょう。

まず、釣りから戻ってきたらウェーダー内側を洗いましょうっていうのは以前もお話しました。
※過去ログはこちら

で、洗い終わったらバクテリアウトでカビの繁殖を防止します。

で、ここで一つポイントです。

ちょうど裏返しになっているので、ウェーダーの内部に水を入れて漏水箇所がないか確認してみましょう。

まず、片足に水を溜め、水漏れ箇所がないかチェックします。
水漏れ箇所があればマジック等で簡単な印を入れます。

片足が終わったら中に入っている水をもう片足に移動させます。
そうすれば片足分の水の量で両足検査可能です。
※水を入れた重みでハンガーやラック、ウェーダー本体が破損しないようにご注意ください。

こうして漏水箇所をチェックしておけば、オフシーズンの間に時間的に余裕を持って修理が可能です。
※修理にお時間の余裕を持っていただけると我々も助かります(笑)

さあ、裏を洗って、漏水検査をして、バクテリアウトしたら乾燥させて次は表側です。

いつもは真水で流すだけですが、今回は洗剤でしっかり汚れを落とし、撥水まで復活させて収納しましょう。

まず準備するのはこちら。


・リバイベックス:プロクリーナー(機能性ウェア用洗剤)
・リバイベックス:デュラブルウォータープルーフィング(霧吹きタイプの撥水剤)

この二つで洗濯と撥水の復活をやっていきます。

洗濯と言ってもウェーダーを洗濯機で回す訳にはいきませんので、柔らかいスポンジにプロクリーナーを適量含ませます。


※生地を痛めないように柔らかい物を選んでください。

そうしたら濡らしたウェーダーを優しく洗います。

汚れの酷い所は少し念入りに。


わかりにくいですが、泥汚れや草やコケで擦れて付いた汚れなんかも優しく洗って落としてあげましょう。

あと、これはフィットハイウェーダーだけですが、ウェストの面ファスナー(マジックテープ)部分も洗ってあげましょう。


ゴミや砂なんかが詰まると面ファスナーの粘着力が弱くなるので、時々強めの水流で流しましょう。

で、洗い終わったら濡れた状態のまま『デュラブルウォータープルーフィング』をなるべくムラなく吹き付けます。


全体にムラ無く均一に吹くイメージで、股の部分なんかもお忘れなく。

吹き付け終わったら、風通しの良い日陰でしっかり乾かします。
※この後の熱処理を行わない場合は撥水剤の定着のため、48時間以上乾燥させてください。

さて、もう少しお付き合いください。
次は乾いたら撥水剤定着の為の熱処理です。

ウェーダーは乾燥機には入れれないので、当て布してアイロンかドライヤーでやりますが、個人的には当て布してアイロンが手早く出来るのでオススメです。

まずはアイロンを中温(80℃~120℃)に設定します。

あとは当て布(ハンカチ、手拭い等)をして、サッと熱を加えます。


こういう時にノベルティーの手拭いが大活躍♪

熱を加える時は、乾燥機にかけ終った洗濯物の温度をイメージして下さい。
あれで熱処理はバッチリですから、表地が熱々になるまではやらなくて大丈夫です。

あくまで『サッ』とです。長く置いておくと本体生地が痛みます。

ここまでくれば後は収納するだけ。

で・す・が!!!!

ここで気をつけたいのは『加水分解』
※詳しいログはこちら

春先のお問い合わせでも非常に多いのが、『使おうと思って出してきたら水が漏れる』です。

これはほとんどの場合が、『加水分解による劣化』か前述の『前年の漏水箇所の見落とし』が原因です。

以前もご説明したとおり、加水分解は使用回数には関係なく起こります。
むしろ使わずに長い期間放置していた方がよく起きます。

なので、保管の際は

・湿気の少ない場所で保管
・冬場は家屋内の結露にも注意
・出来れば1ヵ月~2ヵ月に一度風通しの良い日陰で虫干し
・除湿剤等を活用する

という部分に気をつけて頂ければと思います。
※除湿剤や乾燥剤は絶対に直接本体に触れないようにご注意ください。
必ず除湿剤や乾燥剤の取り扱い説明を読んで、内容に従ってください。

今回も長くなりましたが、ここまでやればウェーダーも本望かと(笑)
(私達もここまでやってもらえれば嬉しいです♪)

これで来年のシーズン開幕も快適に迎えることができます♪

皆様、是非ワンシーズン頑張ったウェーダーを労ってあげてください!!

それでは今日はこの辺で。

 

 

 

 

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