ウェアの基礎知識講座⑮『家までは?裏は?釣行後のウェーダーってどうするの? ~その①~』

 

皆様こんにちは!!
コジマです。

本日はウェアの基礎知識講座⑮です。
今回は『家までは?裏は?釣行後のウェーダーってどうするの? ~その①~』をお送りします。

以前、撥水と透湿の関係や下穿きの種類等いくつかウェーダー関連のお話をしてきましたが、今回は釣行後のお手入れについて何回かに渡って解説していきます。
ウェアの基礎知識講座⑥『ウェーダーの透湿と撥水の関係性』
ウェアの基礎知識講座⑨『ウェーダーの下穿きにジーパンはNG』

今回の内容ですが…

使用後のウェーダーは洗って下さい!!

だけだと面白くないんで、『みんなどうやってるの?』と気になる部分を解説していきましょう。

と言いながらもまずは、ウェーダーを洗わないといけない理由を簡単に説明致します。

使用後のウェーダーを洗わなければいけない理由は単純です。

汚いから。

では、汚いと何が良くないかといいますと、以前のログでもお話したとおり撥水が効かなくなって性能が低下します。※透湿タイプのウェーダーの場合。

しかも例えば渓流のような綺麗な水にもバクテリアや微生物が生息しており、これが原因で臭いの元にもなります。
要は臭くなります。
海水は更に多くのバクテリアや微生物が含まれるので、洗わないと当然臭いです。

なので、基本使用後のウェーダーは洗って下さい。

で、ここまでの話はよくありますが、今回は釣りが終った時点から家に帰るまでを解説します。

釣りが終わり、ウェーダーを脱ぎ、着替えて、さあ帰ろうと。

ここで問題。

ウェーダーってどうやって持って帰るの?

と、なる訳です。

ウェーダーバッグに入れる方、大きなビニール袋に入れる方、色々といらっしゃると思いますが、気を付けていただきたいのが『蒸れ』

ウェーダーやレインウェア等の透湿素材の大敵は『水分』です。
水から濡れないように守るものですが、実は敵は『水』。

これはどう言う事かというと、透湿素材に使用されている接着剤が水分と反応して『加水分解』という現象が発生し、接着剤が劣化するんです。
(ビンテージのスニーカーなんかもこれにやられてソールが剥げたりしてますよね)

加水分解については別の機会に詳しく解説しますが、要は蒸れるとこの加水分解が発生しやすくなります。

なので、使用後のウェーダーを持ち帰る際はなるべく『蒸れの少ない状態』で持って帰る事がオススメです。

短時間ならまだしも、遠征時の連泊の釣行等はこの部分はメチャメチャ重要です。
密閉した状態で何日も置いておけば、加水分解やカビ等の大きな原因となります。

そこで登場するのがこちら↓


PAC-224 ターポリンウェーダーバッグ
※製品ページはこちら

こちらのウェーダーバッグは上面がメッシュなので蒸れにくく、ウェーダーやレインウェア等の濡れ物の収納にオススメです。

ウェーダー2着は楽勝で収納可♪

しかもこれにプラスαで収納のコツがあります!!

それは必殺『ブーツフットウェーダーは畳まない』です!!

実際に写真を見てもらいましょう。


​釣行後、ウェーダーは折り畳まず脱いだ時のままの形にします。


上から見るとこんな感じです。

特にこれからの気温の高い時期は、脱いだウェーダーの中は再結露や自分の汗のせいで高確率で濡れています。

しかし、ブーツフットウェーダーはソックスウェーダーと違い、足先まで引っ繰り返して洗ったり乾かしたりすることができません。

なので、折り畳まずに写真の状態にする事で内部の蒸れを発散させます。

持ち帰る際はこの形のまま、ウェーダーバッグにインです。


これでだいぶウェーダー内部に発生する黒い点々のカビは軽減させれます。

ソックスウェーダーの場合ですが、持ち帰って裏返しにして洗えるとはいえ、裏面の黒カビは一旦発生すると落ちなくなりますので、私はいつも裏返してこんな感じで持ち帰ります。


もはやウェーダーバッグに入ってもいない(笑)
※ウェーダーバッグにはシューズやレインが入っています。

内側は人間の皮脂やなんだで栄養たっぷりですから梅雨時なんかはあっという間にカビが発生します。

特にPVCウェーダーは透湿性が無く蒸れやすいので、透湿ウェーダーよりも確実に中が濡れます。
そのまま放っておくと、カビはもちろん臭いの原因にもなりますので必ず中も乾かしましょう。

さあ、思った以上に長くなってきたので持ち帰り方はこの辺で。

次回は持ち帰った後の洗い方の解説です!!

表だけ洗えばいいと思ったら大間違い!!
そんな内容になると思います。

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ウェアの基礎知識講座⑭『徹底解説!!エイガードのアレコレ!!~その③~』

 

皆様こんにちは!!

本日はウェアの基礎知識講座⑭です。
今回は『徹底解説!!エイガードのアレコレ!!~その③~』をお送りします。

前回はエイガードに使用されている素材と種類、その特性についてお話しました。
※前回のログはこちら


SAC-029 レイガードⅡ
価格:56000円+税
素材:スペクトラ繊維
製品ページはこちら

今回は『エイガードのサイズ選びや装着時のウェーダーサイズ、履く事によって生まれるメリット』のお話をしたいと思います。

サイズ感等のお話になるので、ここからは完全に弊社製品に絞ってのお話です。

前回まででも言っていますが、レイガードⅡは決して安い買い物ではありません。
むしろハイエンドクラスのロッドやリールと同等の価格です。
なので、ご購入の際のサイズ選びやウェーダー着用時の事は非常に気になる事かと思います。

まず本体のサイズ感に関してです。

カタログ表記のサイズスペックだと

・S(24cm)
・M(25cm)
・L(26cm)
・XL(27cm)
・3L(28cm)

になります。

ちなみにスニーカーサイズが28~28.5cmの私が履いているサイズは『L』です。

えっ!?何で!?

って当然なりますよね。
全然カタログサイズと違うじゃんって話ですよね。
実はそれには理由があります。

その理由は、足の長さと幅の関係と、レイガートⅡは繊維で出来ている編み物である事が関係しています。

正直に言うと、私もLサイズは少し小さいんですよ。
ただ、諸事情あって(展示サンプルが『L』しかなく無理矢理それを履かされている)Lを履いています。

なんでスニーカーサイズ28cmの私がLサイズ(26cm)を履けるのか?

ちょっと特殊な例ですが、それはまず私の足のサイズが縦の寸法は27.5cmクラスで横幅が広い事が関係あります。
縦がそれほど長くないので、レイガードの中で指が折り曲がって痛いという程ではありません。

次にレイガードが『編み物』なので、若干生地が伸びます。
なので、多少キツイ分は生地の伸びでカバーできているという事です。

当然ですが皆様がご購入の際にはピッタリのサイズをご購入して下さい。
では何故、今回このお話をしたかと言うと…

『26.5cmはLですかXLですか?』という方へのアドバイスの為です。

この話の流れでいくと、26.5cmの方はLサイズがオススメです。

もちろんXLでも履けますが、Lサイズをオススメする理由は、大きすぎるサイズはウェーダーのブーツ内部で生地が折り重なって溜まったりして履き心地が悪くなったり、レイガードの内部で足が動いて歩きにくかったりします。
また、後述しますがウェーダーのサイズ選びにも影響が出てきます。

大きすぎるレイガードを履くのは、大きすぎる靴下を履いているイメージですかね。

『多少』小さい分はレイガード本体の伸びでカバーできますので、出来るだけジャストサイズで履いて下さい。

次にウェーダーサイズです。

基本は通常履かれているサイズよりもブーツサイズがワンサイズ上がりますよとご説明させて頂いております。

ただ、レイガードを購入する際にウェーダーまで買い換えるとなると出費が…という事で現行のPazdesignのブーツタイプのウェーダーは以前のタイプに比べて少しブーツが大きくなっています。
※現行モデルはPBW-417PBW-011SCW-010PBW-416PBW-417PPW-451PPW-452の品番になります。

なので、場合によってはそのままのサイズでウェーダーを履く事が出来る方もいらっしゃるかもしれません。

例えばテスターの小助川さんの場合、以前のウェーダーはレイガードを履くと『3L』でしたが、現行モデルは『XL』で履けています。

ただ、私は以前のモデルも現行モデルもウェーダーのサイズは普段よりワンサイズ上がって『XL』です。

ここの部分は『履く人によって』という要素が強いので、必ずご試着いただくことオススメします。

ここでお知らせですが

レイガードⅡ、ウェーダー共に以前ご紹介しました『サイズ合わせサービス』をご利用いただけますのでご安心下さい!!
※サイズ合わせサービスの記事はこちら

これだけの高額品です、是非ともご試着の上でお買い求め下さい。
また、お手持ちのウェーダーとのサイズ合わせも可能ですのでご試着の際はお持込いただくのをオススメします。
※お手持ちのウェーダーの持込に関しては小売店様に必ずご確認の上でお持込下さい。

サイズに関してはこんな感じです。

あとは履く事によって生まれるメリットですが、それは

ブーツウェーダーでも歩きやすくなる!!

です。

レイガードを履く事でブーツ内の空間、特に足の甲とブーツの甲部分との空間が埋まります。

これにより、レイガードを履いていない時は足とブーツがバラバラに動いていたのが、空間が埋まってブーツと足が一緒に動くので非常に歩きやすくなります。
さらに足を引きずる様な動きが減るので、ブーツのかかと部分の磨り減りも遅くなります。

副産物的ですが、レイガードを履いて一番ビックリしたのはこれかもしれません(笑)

なので私はエイの有無に関らずにブーツウェーダーを履く際はレイガードを着用しています。

レイガードをお持ちの方、ご購入予定の方、是非お試し下さい。

ということで、今回はこの辺で。
3回に渡ってご説明してきましたレイガードの秘密は今回で終了です。

次回は『釣行後、ウェーダーってどうするの?』をお送り致します。

 

 

 

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ウェアの基礎知識講座⑬『徹底解説!!エイガードのアレコレ!!~その②~』

 

皆様こんにちは!!
コジマです。

本日はウェアの基礎知識講座⑬です。
今回は『徹底解説!!エイガードのアレコレ!!~その②~』をお送りします。

前回はエイガードが必要な理由と防御の仕組みをお送りしました。
※前回のログはこちら

そして今回は『エイガードに使用されている素材の種類とその特性、価格差等について』をお送りしたいと思います。

最初に言っておきますが、この内容は他社批判をするものではありません。

ちゃんとそれぞれの素材に対する説明が乏しく、また原料の詳細をネット等で調べても素材の発売元自体がメリットしか記載していないので良くわからないというお問合せにお答えする記事です。

今回の素材の詳しい特性は弊社レイガードを生産している国内業者の方、つまり『素材のプロ』に内容を確認して記載しております。

各素材のメリット、デメリットを正しく理解し、エイガードご購入の際のご参考になればと思います。


SAC-029 レイガードⅡ
価格:56000円+税
素材:スペクトラ繊維
製品ページはこちら

まずですが、現在釣り具市場で販売されているインナーソックスタイプ(ウェーダーの中に履くタイプ)には下記の3種類の素材が使われていると思います。

・スペクトラ
・ケブラー
・ノーメックス

この3種類です。
ちなみに上にも書いてある通り弊社のレイガードⅡはスペクトラ繊維を使用しています。

ではそれぞれの素材の特性を解説していきましょう。

まず、この3種類の素材はさらに大きく分けると『高強度ポリエチレン』『アラミド繊維』の2つにわかれますので、それで話を進めます。

まずは生産業者の方からのメールを原文のまま記載します。

・高強度ポリエチレン(スペクトラ繊維)
耐切創性が高く切れにくい、耐熱性(120℃融点)は低い。
比重は軽く水に浮く、耐水性に強く、吸湿度による劣化発生しない。
紫外線での繊維劣化は少なく「野外での船外係留ロープ」でも使われる。

要約すると、耐水性が強く紫外線劣化も少ないので、多目的に使うことができる。
もちろん耐用年数はあるが、吸湿性がないので強度が落ちない。

耐熱性が低いので「消防などには不向きである」が警察や警備などの防護服には向いている。

繰り返し洗濯が可能で、劣化も少なく耐用年数も長い。

ただしアラミド繊維よりも高価。

・アラミド繊維(ケブラー、ノーメックス)
耐切創性が高く切れにくい、耐熱性(430℃発火点)が高い。
比重は重く、耐水性が弱く、紫外線での繊維劣化が著しい。

要約すると、耐火性能が高いので「消防関係」で多く使用されるが、水に濡れると切創強度が落ちる特性がある。

紫外線での経年変化が顕著で野外で半年ほど使用すると「紫外線劣化」により繊維強度の危険水準に至る。

洗濯もできず、吸湿効果で自然劣化する。

耐用年数も使用方法で異なりますが、最大でスペクトラ繊維の半分くらいと言われています。

ただしスペクトラ繊維よりも安価。

ちょっとわかりにくい部分もありますので、さらに要約します。

・高強度ポリエチレン(スペクトラ繊維)
耐切創性:高い 耐熱性:低い(120℃融点)
比重:軽い
耐水性:高い(吸水、吸湿による劣化なし)
耐紫外線:高い(繊維劣化が少ない)
洗濯:可能
価格:高価

メリット
耐水性が高く、吸水、吸湿もないので保管時の湿気や使用時の汗や水濡れでの強度劣化がない。
また、洗濯も可能。
紫外線での劣化及び強度変化も少ないので初期性能を長く維持できる。

デメリット
素材自体が高価なため、製品がアラミド繊維のものに比べると高価になる。

・アラミド繊維(ケブラー、ノーメックス)
耐切創性:高い 耐熱性:高い(430℃発火点)
比重:重い
耐水性:低い(吸水、吸湿による劣化あり)
耐紫外線:低い(著しい繊維劣化あり)
洗濯:不可
価格:安価

メリット
素材自体がスペクトラ繊維より安価なので、製品自体も安価にできる。

デメリット
吸水、吸湿、紫外線による劣化があるので耐用年数が短い。
また、保管時も吸湿や紫外線による劣化があるので保管方法にも注意が必要。
※ノーメックスは生地が柔らかく生地目(繊維の目)が広がりやすいので設定強度に到達させるのに複数枚重ねる必要があるので、製品の厚みが増す。

とまあ、こういう感じの特性になります。

スペクトラ繊維は長持ちするけど高価。
アラミド繊維は安価だけど耐用年数が短い。

あくまでこれは選択肢であり、どっちを選ばれるかはユーザー様それぞれの事情や考え方次第だと思います。
(当然弊社としては価格よりもいざと言う時の安心感で、発売当初よりスペクトラ繊維を使用し続けています)

弊社の製品がスペクトラ製で56000円で、ケブラー製やノーメックス製は大体30000円台後半くらい。
どちらも安くはないですが、それでも20000円近い価格差があります。

『さすがに56000円は高いな…』となって何も履かずにエイの生息エリアでウェーディングするよりは、買換えは必要ですがアラミド繊維のタイプを着用していただいた方が絶対にいいです。

前回お話しましたがノーガードが一番ダメです。

そして現在アラミド繊維を使用したエイガードを使用している方は以下の点に注意して下さい。

・なるべく水分や紫外線の影響の少ない場所で保管する。
・絶対に洗濯や水洗いはしない
・外や紫外線の当たる場所に干さない
・購入後しばらくたったら買換える
(アラミド繊維自体の耐用年数は使用状況にもよりますが最大2年~3年と言われています。)

昨年、『エイガードしてたけどエイに刺された時に少し刺さった』という記事を見かけましたが、前回もお話した通りエイガードの防御の仕組み上、時折針先が生地を貫通してしまうことがあります。

がしかし、その見かけた記事で被害にあわれていた方が履いていたエイガードはアラミド繊維製(ケブラー製)。
その製品の発売時期が4年くらい前だと思いますので、正直に言えば劣化で初期性能が失われていた可能性も十二分に考えられます。

あらためて言いますが、アラミド繊維がダメとかそういう事ではなく、素材の特性を正しく理解していただく事が最大の目的です。

安全、確実な装備で楽しく安全にウェーディングを楽しみましょう♪

次回は『エイガードのサイズ選びや装着時のウェーダーサイズ、履く事によって生まれるメリット』についてのお話をお伝えします。

それでは今日はこの辺で。

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