ウェアの基礎知識講座⑦『透湿性と通気性の違い』

皆様こんにちは!!
コジマです。

本日はウェアの基礎知識講座⑦です。

前回まで数回に渡って透湿と撥水の関係性や、レインウェアやウェーダーのお手入れ方法をお伝えしてきました。

今回は久し振りに用語解説を。

今回のテーマは『透湿性と通気性』。

防水と撥水と同じくらい混同されて使われているこちらの性質。
まずはその言葉の意味を。

・『透湿性』…布などを水蒸気が通り抜ける性質。

・『通気性』…空気を通す性質。

はい、超絶わかりにくいですねw
撥水と防水の違い以上にわかりにくいこの二つの性質。

もう少し詳しく説明しますと、透湿性は水蒸気を通しますが空気は通しません。
通気性は水蒸気も空気も通します。

水蒸気は分子で、空気は気体です。

つまり透湿性は分子レベルの大きさは通しますが、気体は通しません。

この事がウェアにどう係わってくるのか?

まず、レインウェアに採用しているメンブレン(防水透湿膜)には3大特徴と言われるものがあります。

それは

・防水性
・透湿性
・防風性

の3つです。

水の浸入を防ぎながら、ウェア内の蒸れの原因である水蒸気をウェアの外に出し、さらに風の浸入も防ぐ。

これがメンブレンの特徴です。

はい、これで透湿性と通気性の関係性が少し見えてきました!!

水の浸入を防ぎながら、ウェア内の蒸れの原因である『水蒸気=分子』をウェアの外に出し、さらに『風=気体』の浸入も防ぐ。

つまりメンブレンには基本的に通気性はありません。
むしろ通気性が無い事が特徴なんです。

そもそも風が浸入する隙間があるという事は、水も浸入してきますのでレインウェアとして成り立ちません。

まあ、ミシンで縫った穴を塞いでいる『シームテープ』がないだけで水が浸入してくるんですから当然っちゃあ当然ですね。

ちなみに通気性が無い=風を通さないと言う性質を利用して作っているのがこちらの製品。


SJK-008 ウィンドガードパーカ


SPT-005 ウィンドガードパンツ

この2つのアイテムは風の浸入を防ぐ事で体感温度の低下を防ぐアイテムです。

毎年完売サイズが出る人気商品ですので、お使いの方も多いかもしれませんが、単なるパーカーやスウェットパンツとは段違いの暖かさを発揮します。

ちなみに、風速1mにつき体感温度は1℃下がります。

つまり気温10℃で風速10mの場合、全裸だと体感温度は0℃です。
(まあ、全裸ってことはないでしょうけどw)

防風性って大事でしょ?

ちょうど今くらいの時期だと『暖かいけど風が吹くと寒い』みたいなシチュエーションって多いと思います。

そんな時はレインウェアを一枚羽織るだけで随分と過ごし易さが変わりますんで、是非お試し下さい。


ボートシーバスやオフショアでは必需品です♪

レインウェアの使い所は雨が降っている時だけじゃないんです。

あと、ご注意いただきたいのはレインウェアでもベンチレーションの機能をつければ通気性を持たせることは可能です。
(脇の下等にチャックがあるレインジャケット等)

もちろん、ファスナー部分の漏水のリスクは高まりますが、透湿性が追いつかないほど急激にウェア内部の温度や湿度が上がった際にはベンチレーション部分を開放する事で、ウェア中の環境を一気に適正に戻す事ができます。
(雨降ってる最中にやると中びしょ濡れになります。)

イメージ的には室内の換気の為に窓を開ける感じですね。

このベンチレーション機能を搭載するか否かは、メリットもデメリットもあるのでどっちが良いかという話はここではしません。

という感じで『透湿性と通気性』のお話でしたがいかがでしたでしょうか?

似たような語感ですが、その性質はまったく別物。

でもその性質を正しく理解して活用していただければ、更に快適なウェア選びができると思います。

ということで今日はこの辺で。

次回は『ラッシュガードは夏だけじゃない!!~より透湿性を発揮させる為に~』をお送りしたいと思います。

 

 

 

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ウェアの基礎知識講座⑥『ウェーダーの透湿と撥水の関係性』

皆様こんにちは!!
コジマです。

本日はウェアの基礎知識講座⑥です。
前回は撥水復活の儀式のお話をしました。
※前回のログはこちら

そして今回は『ウェーダーの透湿と撥水の関係』についてです。

透湿と撥水シリーズの番外編とでも申しましょうか。
ただ、この話は透湿素材を採用したウェーダーの話であって、非透湿のPVCウェーダーにはあてはまりませんのでご注意を。

以前、撥水が切れるとウェアの表面に水の壁ができて透湿性が落ちますよ~っという話をしたと思います。
※そのログはこちら

水の壁ができると透湿性が落ちる…

あれ?ウェーダーって水の中に入ってないっけ?
じゃあ、ウェーダーの透湿素材って意味無くない?

そう思った方。
いいとこに気が付きましたね。

水中に入る際に使うウェーダー。
水の中に入っている部分は透湿素材の意味が無いのか?

透湿素材の意味はあります!!!!

そう、水に入っている部分でも透湿性は発揮されているんです。
でも条件がありまして。

それは撥水が効いている事。

撥水は撥水基という分子の働きで水と表地が直接触れ合わないようになっています。

触れ合わないという事はつまり、表地と水の間には極々僅かですが隙間が空いている事になります。
(要は撥水基分の隙間ですね。)

はい、勘の良い方は気が付きましたね。

そう、その隙間から水蒸気が抜けてるんです!!

絵に描くとこんな感じです。

いや、ほんと私もこれ知った時は驚きましたよ。
なんちゅうメカニズム。
考えた人凄いです、本当に。

で、今回これで終わりじゃないですよ。

撥水が効いてるから透湿性が発揮できるという事は、撥水が切れたらダメだって事ですね。

レインウェアと同様にウェーダーも使っていると表地に水が染みて色が変わってきますよね。
もちろんこの時点で中に水は浸入していません。

でも表地が濡れているという事は、透湿性が失われ、再結露が起きてしまう状態だという事になります。

こんな経験はございませんか?

最近ウェダー履くとやたら中が濡れてるんだよな~
靴下とか股のとことか濡れてるんだけど、水漏れの検査してもどこも漏れてないんだよな~…

これ、再結露の可能性大です。

人間、想像以上の汗をかいています。
昔CMで『人は寝ている間にコップ1杯の汗をかく』なんてのもありました。

個人差ありますが、寝ているだけでコップ1杯。
ウェーダー履いて歩けばもっと出るでしょう。

その水分が再結露でウェーダー内に戻ってくれば、『漏水してる!!』と思ってもおかしくはないですね。

つまりウェーダーもレインウェア同様に撥水の維持、復活が快適に使用する為のキーポイントなんですね。

なのでウェーダーも日頃のメンテナンスは欠かせません。

当然、洗濯機で洗うわけにも乾燥機にかけるわけにもいきませんので少し工夫は必要ですので、ここでは私が実践している方法を参考までにご紹介します。

まず洗う段階ですが、基本的には短時間しか使用していないときは釣行後に真水で洗い流します。
で、ちょっと撥水が切れてきてるかな~っと思ったら乾燥後に撥水スプレーを使用して撥水を復活させます。


ZAC-952 リバイベックス インスタントウォータープルーフィング 1600円
※製品ページはこちら。

これはブーツタイプもソックスタイプも同様です。

そして本格的なメンテナンスの場合ですが、基本的にはレインウェア同様に

汚れを落す→撥水を復活させる→熱処理

という流れです。

んで、汚れを落す際は洗濯機の代わりにウェア用洗剤、もしくは中性洗剤をつけた柔らかいスポンジで軽く洗います。

そしてしっかりすすいだら、こちら↓

ZAC-957 リバイベックス デュラブルウォータープルーフィング
2000円 ※製品ページはこちら

濡れている状態でデュラブルウォータープルーフィングを満遍なく吹き付けます。

その後しっかり乾燥させ、ソックスタイプは当て布をしてアイロン掛けします。
※方法は前回ログを参照下さい。

ブーツタイプの場合、大体のご家庭では室内でアイロン掛けを行うと家族から非難の的になると思いますが、場所が確保できれば行って下さい。

不可能ならばドライヤー。

電気代や騒音によりそれも許可が出ない場合は、デュラブルウォータープルーフィングスプレーではなく、乾燥させた状態でインスタントウォータープルーフィング(撥水スプレー)で処理しましょう。

こうする事で、より長く快適にウェーダーを使用する事ができるはずです。

思ったより長くなって自分でも驚いているので、今日はこの辺で。

次回はまた原点に戻って用語解説。
『透湿性と通気性の違い』についてお話しようかと思います。

それでは。

 

 

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濡れるほどにグリップするグローブって?

皆様こんにちは!!
コジマです。

本日はグローブのお話。

弊社のグローブのグリップ部には独自のグリップ素材を採用しているのが最大の特徴です。
(立体裁断とか何とかは言うまでも無く採用してます。)

そのグリップ素材の名は

『New Power Grip(ニューパワーグリップ)』

です。


掌部分の黒い素材です。

この素材、初めて耳にされた方も多いと思いますが、それもそのはず。

この素材は釣り具業界ではPazdesignのみの独占採用で、その他のプロスポーツ選手用で採用されている際は特に決まった名称がありません。

このグリップ素材を作っている工場の社長さんが本当に職人気質な方で、『別に名前で性能が変わる訳じゃねぇんだから、名前なんか無いから、付けたかったら好きに付けていいよ』って事で『New Power Grip』と命名させていただきました(笑)

このニューパワーグリップですが、現在、Pazdesignの全てのグローブに採用されています。
※カイロポケット手甲を除く。

その最大の特徴は『濡れるほどにグリップ力が増す』事です。

一般的なグリップ素材であるシリコン、ゴム、合皮等々と違い、濡れた事でグリップ力の低下が起こることはありません。
むしろグリップ力がアップします。


魚のヌルも問題なし!!

その秘密はニューパワーグリップの作り方にあります。

ニューパワーグリップは織物に特殊なグリップ素材を含浸させて(含ませて)作っています。

完全によくわからない説明なので掘り下げていきますと、まず『織物』というのは糸を縦横に『織って』作ってある布地のことです。

この織物の特徴は糸を縦横に規則正しく織ってあるので、繊維の目が均一になっていて、強度も安定します。
ワイシャツなんかを想像してもらうとわかりやすいですかね。
繊維の目があるので通気性(簡単にいうと風通しがいい)もあります。

で、この織物に特殊なグリップ素材を含浸させるわけですが、ではそれで『何故濡れるとグリップ力が増すのか?』という事になるわけです。

それには逆に『何故濡れるとグリップ力が落ちるのか?』を考える必要があります。

シリコンやゴムのグリップ素材は水を含みませんよね?
むしろ防水素材ですよね?

とうことは濡れたグローブでロッドを持った時、その水分はどこにも吸収されずグリップ素材とロッド間に存在します。
そうすると滑るわけです。

タイヤを想像して下さい。
溝の無いツルツルのタイヤで濡れた路面を走るとどうなりますか?
タイヤはゴムですよね?

そういうことです。

ニューパワーグリップは織物ですから、繊維の目から水分が抜けていきます。
最新の道路なんかで雨が降っても水溜りができない道路がありますが、そんな感じのイメージです。

これに加え、含浸させてある特殊グリップ素材には中にグリップする粒子が含まれています。
(目に見えないくらいの小さいやつです。)

普段もこの粒子のお陰でかなりのグリップ力ですが、水分が繊維の目から抜けていく時に毛細管現象により、このグリップ粒子が表面に浮き上ってくるのです。

これが『濡れるほどにグリップ力が増す』仕組みです。

ニューパワーグリップは『グリップする事へのアプローチ』そのものが他のグリップ素材とは全く違うのです。

Pazdesignテスター陣も弊社製品を使って一番驚くのはこのグローブのグリップ力です。


テスター・河野さんのグローブ紹介記事

確かなグリップ力は釣行時のストレスを軽減するだけでなく、ロッド操作の精度が上がるので、キャスト精度もアップします。

『グローブをする事で釣りが上手くなる』

そんなグローブです。
※効果効能は個人差があります。

現在では0.7mm厚のノーマルに加え、0.2mm厚の極薄高感度のライトゲーム専用モデルも用意しています。

『グローブは感度が落ちるから…』と思っている方、是非、一度0.2mm厚を使ってみて下さい。

驚くこと間違いなしです。

ちなみに現在の夏用(3シーズン向け)ラインナップは


SLG-014 5フィンガーレスグローブSP
掌側全面グリップのハイエンドモデル。
掌の全ての部分でグリップするので、安心感は抜群です。


PGV-024 5フィンガーレスクールドライグローブ
人工皮革アマーラにニューパワーグリップを部分的に配置したモデル。
グリップは位置はテストを重ね最適な位置に。
全面タイプよりもグリップできる部分は減るものの、アマーラ部分が肌馴染みがよく、着け心地の良いモデル。


PGV-029 センサータッチクールグローブ(廃盤)
掌側に0.2mm厚のニューパワーグリップを採用した、極薄高感度モデル。ライトゲームや渓流、ブラックバスにオススメ。


SLG-013 オフショアグローブSP
オフショア用フルフィンガーモデル。
ロッドアクションの変化も対応する全面グリップ仕様。
人差し指と親指は人工皮革アマーラ。


PGV-033 オフショアグローブ・レザー
オフショア用フルフィンガータイプで、人工皮革アマーラにニューパワーグリップを部分的に配置したモデル。
親指と人差し指には感度と滑らかさが特徴のカンガルーレザー使用。


PGV-025 アルティメットG-1S
フィット感と操作感が抜群のキャスティングゲーム専用モデル。
ニューパワーグリップは掌と小指、薬指、中指先端に部分配置。
部分的にあえて滑りの良い素材を使い、グリップ力とキャストしやすさのバランスが秀逸なモデル。

是非、今年はニューパワーグリップの性能をご体感下さい。

それでは今日はこの辺で。

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