ウェアの基礎知識講座⑰『ウェアの天敵!!劣化の原因!!加水分解とは?』

 

皆様こんにちは!!
コジマです。

本日はウェアの基礎知識講座⑰です。
今回は『ウェアの天敵!!劣化の原因!!加水分解とは?をお送りします。

前回は釣行後のウェーダーのメンテナンスについてご紹介いたしました。
※前回のログはこちら

今回はその中でも出てきた『加水分解』についてお話しましょう。

まず、『加水分解って何だ?』ってところから始まると思います。

意味を調べてみると、化学的には結構色々な加水分解があるようでしたので、ここではめちゃめちゃ端的に『水分による劣化』という意味で話を進めていきます。

『水の浸入を防ぐ為のレインウェアやウェーダーが水分で劣化する』。
嘘のような話かもしれませんが、ざっくりと言うとそういう事です。

ただ、紙みたいに水に濡れると溶けたりとかするんじゃなくて、メンブレンや接着剤なんかに使われている『ポリウレタン(PU)』なんかが水分と反応する事で化学反応が起き、劣化するのが加水分解です。

おそらく、釣り具よりも身近な加水分解による劣化を体験できるのは『スニーカーのソール』かと思います。

久し振りに履いたスニーカーのソールが、履いたとたんボロボロと崩れたり、ソールが剥がれたりしたのを体験したり、見たことはありませんか?

これがまさに『加水分解による劣化』です。

私も昔買ったお気に入りのスニーカーをこれでダメにした事があります…

スニーカーの場合に良く聞くのが『履いてなかったのに劣化した』というお話ですが、何故こんな事が起きるのでしょうか?

それは空気中の湿気(水分)が原因となっているからです。

ご存知の通り日本は非常に湿気が多く、特に夏は高温多湿という加水分解が起こるにはもってこいの環境です。

つまり、履かずに仕舞っていたスニーカーのソールや接着剤のポリウレタンが空気中の湿気と化学反応を起し、徐々に劣化が進んでしまうのです。

これは余談ですが、アメリカ製の古いスニーカーは乾燥しているアメリカで作られているので、高温多湿の日本では特に注意が必要ですので、これからスニーカーを集めようと思っている方はご注意下さい。

で、肝心なウェアにおいての加水分解の現象ですが、よく見られるのが『シームテープの剥がれ』『メンブレンと裏地(表地)の剥離』『メンブレンの劣化』等です。

シームテープとは、ウェアを縫ったミシン跡から浸水しないように目止めしているテープですが、これを貼り付けている接着剤が加水分解により劣化し、剥がれてきます。
当然、剥がれてしまうと目止めしていたミシン跡から漏水してきます。


この細長いテープが『シームテープ』です。

メンブレンと裏地や表地も接着剤を使用しラミネートしてありますので、加水分解でその接着剤が劣化し剥離することも。
実際に剥離が起こるとこんな感じになってきます。


ボコボコと水ぶくれのようになります。(画像中央付近)

これも漏水の原因になります。

また、メンブレン自体の劣化が進めばボロボロとメンブレンが砕けるようになったりし、当然水の浸入を防ぐ事は出来なくなります。

そしてこの現象が最も厄介なのは、『1ヵ所で発生すると、ウェア全体で同じ現象が起こる可能性が高い』というとこです。

そりゃそうですよね、湿気が原因なんですから保管状況下において『右半身にだけ加水分解が起きて、左半身は何の影響もない』って事はそうそうないですよね。

現時点では発生していなくても、後に症状が発生する確率は結構高いです。

なので加水分解による劣化は修理が非常に難しいです。
と言うか厳密に言えば応急処置以外は無理ですね。

例えば剥がれてきたシームテープを『シームグリップ』という接着剤で補修する事はできますので、一時的に浸水は防げます。
しかし、シームテープの他の部分やウェア全体で目に見えない劣化は発生していますので『完全補修』というのは出来ません。
(シームグリップの役目は一時的な補修と、使用前のシーム部分の補強です。)

なので、ウェアのメンテナンスはキチンとやらないと取り返しの付かない事になりますよ!!

色々大事な点はありますが、加水分解対策においては特に『乾かす』ことと『保管の際は高温多湿は避ける』というのは非常に大事です。

濡れたままバッグに密閉して車に放置なんて言語道断!!っていうのがこのログを読んで貰えばわかってもらえると思います。

また、さっきのスニーカーの話でも少し触れましたが、実は加水分解は仕舞っている時にも発生しやすいんです。
(スニーカーなんかは定期的に履いてるほうが発生しにくいです)

なのでウェアの加水分解に対してのご相談やご質問が多いのは、大体季節の変わり目、特に春ですね。

・渓流が解禁したのでウェーダー履いたら水が漏れる。
・暖かくなって久し振りにネオプレーンから透湿タイプに変えたら水が漏れる。
(初冬には逆パターンもよくあります。)
・昨年ウェーディングシーズン終盤に買って、数回使って仕舞っていたウェーダーが今シーズン初使用で漏れた。
・時期的に防寒ウェアからレインウェアに変えたら水が漏れる
…etc

具体的にはこういった内容のご相談を頂く事がよくありますが、保管中の加水分解が原因となっている可能性があります。
(あれ?っと思ったときは弊社までお気軽にご相談下さい。)

『大して使ってないのに』というお話も頂く事もありますが、使用頻度と加水分解による劣化は必ずしも比例しないのも難しいところですね。
(むしろよく使っていたほうが加水分解は発生しにくかったりします)

加水分解による劣化を完全に防ぐ事は出来ませんが、下記の事に気を付けて頂ければ随分と加水分解による劣化を少なくすることは出来ると思います。

・使用後のウェア(ウェーダー)はしっかり乾かす
・保管時は高温多湿な場所は避ける
・保管時は乾燥剤等を使用して湿気を避ける
・濡れた状態で密閉されたバッグ等に入れ、長い時間置かない
・ちょこちょこ使用する(保管しっぱなしにしない)

この辺りは最低限ご注意いただければと思います。

『連日の釣行で乾かす暇がない!!』という方は乾燥機や布団乾燥機を上手く活用される事をオススメします。

という事で今回は随分と長くなりましたが、加水分解とその原因、対処法についてお話してきました。

まだまだ梅雨明け前でジメジメとした日が続くので、是非皆様メンテナンスはお忘れなく!!

それでは今日はこの辺で。

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ウェアの基礎知識講座⑯『家までは?裏は?釣行後のウェーダーってどうするの? ~その②~』

 

皆様こんにちは!!
コジマです。

本日はウェアの基礎知識講座⑯です。
今回は『家までは?裏は?釣行後のウェーダーってどうするの? ~その②~』をお送りします。

前回は釣行後のウェーダーの持ち帰り方をご紹介いたしました。
※前回のログはこちら

今回は家に到着してからのメンテナンス法をご紹介致します。

前回、中が蒸れないように持ち帰ってもらうという所まではご説明しておりましたが、今回はそこから先です。

ここからはブーツタイプとソックスタイプでは随分勝手が変わってきます。

なので、まずはソックスタイプから先にご説明致します。

釣行後裏返しで持って帰ってきたソックスウェーダー。

帰り着いたらそのまま裏側を水で流します。

ちなみに、裏側を洗う頻度は季節や使用時間によって異なります。
私も汗をかきやすいこの時期は毎回裏まで洗っていますが、解禁当初などの時期はウェーダー内の再結露具合を見ながら2~3回使ったら洗うような感じです。

あと、注意点としては裏側は表に比べるとデリケートですので、あまり擦ったりはしないで下さい。
あくまで流水で流す程度で充分です。

そして流し終わったら1日程度風通しの良い日陰でしっかりと乾燥させます。
(ソックス部分が乾いていればOK)

乾いたら次は表…ではなくて、コチラ!!


間も無く発売の新製品『ニューバクテリアウト』!!

こちらは食品にも使用できる100%植物由来の発酵アルコールを主原料とした除菌スプレーです。
これをスプレーしておけばカビや臭いの原因となる菌の発生や繁殖を防ぐことができます。

これをウェーダーの裏面に満遍なく吹きかけ、乾かします。
(エタノールが60%近く入っていますので、割とすぐに乾きます)

ここまできたら引っ繰り返して表側を洗って下さい。

表側は基本的には流水でしっかりと流します。
そして、汚れが酷い部分は柔らかいスポンジにウェア用の洗剤や洗濯洗剤を含ませて軽く擦るようにして洗います。

洗い終わったら裏側同様に風通しの良い日陰でしっかりと乾かします。
(撥水が切れているようであれば、このタイミングで復活させましょう。)
※ウェーダーの撥水復活についてはこちら

で、ここまでの流れの最大のポイントですが…

帰ってきてなるべく間をおかずにやる事!!

です。

蒸れている状態、汚れている状態はウェーダーにとって非常に良くない環境です。
なるべくその状態で長く保管しない事が最大のポイントになります。

疲れているとは思いますが、帰ってきた日に裏側を洗って干すまでの作業は進めたいところです。

さて、次はブーツタイプ。

ブーツタイプはソックスタイプと違い裏返すことができません。
なので丸洗いは難しいので、この状態で持ち帰ってきたら濡らして固く絞った柔らかい布で内側を軽く拭きます。
(ゴシゴシ擦らないように注意!!)

そしてその後はこちらにもバクテリアアウトをスプレーして乾かします。
(ブーツ内が再結露や汗で湿っている場合は長めに乾かしましょう)

で、内側が乾いたらソックスタイプ同様に外側を洗います。
基本的な洗い方はソックスタイプと同じですが、ブーツタイプの特徴としては足底の『フェルト』
(ラジアルソールの場合を除く)

このフェルトもしっかりと洗っておかないとヘドロなどが繊維に染みつき、臭いの原因になります。

フェルト部分を洗う際はシャワーヘッドをジェットタイプにしたり、ホースの先端を指で押さえたりして強い水圧を掛けてしっかりと洗いましょう。

あとはソックスタイプ同様に必要に応じて撥水を復活させ乾かします。

ここで一つ問題なのが、ブーツタイプを使用される方は『連日使用される事が多い』という事です。
『毎日2~3時間』という釣行が多い方の場合、ウェーダーを乾かしている暇がありません。

正直に言いますと、透湿タイプのウェーダーにおいてはこの使用方法が一番過酷で痛みが早いのが事実です。

前回も述べましたが、透湿タイプのウェアの天敵は水分による加水分解です。

乾かない状況が何日も続くと言うのはウェーダー、レインに係わらず最も過酷で痛みやすい状況と言っても過言ではありません。

なので『連日使用される事が多い』という方は、面倒ですがなるべく

・車に乗せたままにしない
・毎回真水で流して夜の間だけでも干す

こちらを実践して下さい。

もしくは出費は痛手ですが、もう1本ウェーダーをご購入頂きローテーションして頂くのもオススメです。

また、透湿タイプよりも使用中は蒸れますがPVCタイプのほうが加水分解には強いので選択肢としてはアリだと思います。

という感じで最後は少しメンテナンスとは離れた内容になりましたが、釣行後のウェーダーの取り扱い方についてご紹介してみました。

どうでしょうか、ご参考になりましたでしょうか?

次回は今回、前回と良く出てきた『加水分解』について細かく解説していきたいと思います。

湿度の多い今時期によくやってしまう『加水分解による劣化』についてのお話です。

それでは今日はこの辺で。

 

 

 

 

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バチ抜けにおけるフィールとアルバトロス。 林健太郎

 

広島の林です。

梅雨入りはしましたが、梅雨の気配も感じられない中国地方です・・・

少し前ですが梅雨入り前のバチパターンを楽しみに行ってきました。

広島にはこの時期のバチパターンも存在します。

この時期のバチパターンは独特な特徴があり、流れの筋(流芯)をメインにルアーをトレースしていきます。

こんなシチュエーションの時にエース的存在なフィールシリーズですが、今までは120が最大サイズでした。

今年は追加サイズで150がラインナップに加わった事で圧倒的な飛距離を手に入れる事が出来、今まで届かなかったポイントへルアーを届けらる様になり、おかげで今年のバチシーズンは好調な様に感じます。

そして、サヨリパターンに特化させた「アルバトロス150FG」も発売されて初めてのバチシーズンを迎えました。

Pazdesignの方にも「アルバトロスはバチパターンに使えますか?」という問い合わせが良く来るようですが、実際に使用してみるとフィールシリーズの「テールスライドアクション」とアルバトロスの「ウィークウェーブアクション」とで異なるアクションでの住み分けが出来、今年シーズンのバチシーズンも楽しめました。

注意点は下記の動画を見てもらうとわかりますが、アルバトロスは浮き姿勢がかなり垂直に近いです。


※浮き姿勢は2:07頃

なので、このまま流すような釣りだと浮き姿勢的にバチパターンは難しいかもしれません。

巻いて使う事で姿勢も水平になり、ウィークウェーブも発生するので、フィールとのローテションで使う場合は巻いて使ったほうが良いと思います。

全国的にバチパターンも一段落したと思いますので、是非来年のパチパターンの際はアルバトロスもお知らせ下さい。

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